◆西田宗千佳『ソニーとアップル、2大ブランドの次なるステージ』を読み解く

 


※要旨


・企業に永遠はなく、
栄枯盛衰が繰り返されてきた。
現在絶好調のアップルとて、
1996年にスティーブ・ジョブスが復帰するまでは、
「身売り確実」と言われる状況にあった。
それがなぜ現在のように、
トップ企業へと返り咲いたのか。


・ビジネスにはルールがある。
それはモノ作りの手法であったり、
売り方であったり、
ソフトウェアを流通させるためのやり方であったりする。


・ある時期には、ある企業が作り上げた形で成功を収めるが、
次の企業がやってくるときには、
一見同じように見えるルールを、密かに、
自らがより有利になる方向に書き換え、利益を誘導する。


・ルールの書き換え方が巧みで、
ライバルに気づかれにくいものであればあるほど、
勝利したときの旨みは大きくなる。


・相互に関連する産業を持っていることによる「総合力」こそが、
ソニーの成長を支えてきたものであり、
現在も他社と差別化する要因となっている。


・ソニーコンピュータエンタテイメント(SCE)が絶好調で、
まだ東京の青山にオフィスがあった頃の話だ。
社員食堂の内容について問われた久多良木健社長は、
即座にこう答えた。

「お金はかかってもいいから、
とにかく美味しい物を食べさせるところにしよう。
だって、みんなは家にも帰らず、
半ばここに住むようにして仕事をしているんだから。
食事くらい満足できるものにしないと、
やる気なんて出ないよ」


・「元気な会社は社食が美味い」は、
洋の東西を問わない、共通の法則なのかもしれない。


・ソニーは2005年、
当時アップルでインタラクティブメディア担当副社長を
務めていたティム・シャーフを引き抜き、
ソフトウェア開発の責任者に据えた。
彼はその後、ソニーのソフトウェアとネットワークサービスの
開発中核を担うことになる。
彼はチームにこう語った。

「アップルのソフトは昨日今日できたものではない。
失敗の積み重ねの上にある。
iTunesだって5年かかった。
それが『明日にはできる』なんて勘違いするな。
一歩ずつやろう」


・現在のアップルの成功は、
クックが支える「物流コントロール」という基盤の上に
できあがっているのだ。


・ソニーミュージックエンタテイメントの社長であった、
丸山茂雄は、ソニーについてこう答えている。

「そもそもさ、ソニーって、
そんなにすごいもの作ってたかい?
違うんじゃないかな。
ちょっと軽かったり、ちょっと音が良かったり、
それだけのものさ。
でも、その『ちょっと』があるかないかが、
エライ違いなんだな」


・ちょっとだけ、違う。
でもその「ちょっと」が欲しくてたまらない。
そんな製品をソニーが再び出せれば、
ソニーは復活するに違いない。


・思えばアップルだって、
その「ちょっと」の快適さでここまで成功したのだ。
操作がわかりやすいかどうか。
待ち時間をどう短くするか。
そして、商品を買って箱を開けたとき、
どうやって驚かせるか。


・相手をいかに出し抜き、新しいルールを作り、
特別な商品を作るか。
それが「非凡な」「尊敬される」会社に
なるための方法だ。


・今、世界はアップルのルールで動いている。
そのあともアップルのルールが続くのか、
それとも別の企業がルールを書き換えるのか。
何よりもそこが気になる。


・ビジネスの世界は勝ったものが正義。
だが、そこでの勝ち方によって、
「非凡である」と賞賛されるか、
「狡猾である」と非難されるかが決まる。


・好かれる会社になるには、うまくルールを書き換え、
それを人々が賞賛し、「非凡な製品を作る人々の会社」
と認識されることが必要だ。

 


※コメント
アップルの上手い戦略を垣間見た。
彼らもつい十数年前は、危機にあった。
そこから立ち上がることはできることを教えてくれる。


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