私の誕生日に向けて

高級ホテルと高級レストランの

予約ができた。

 

 

 

 

 

その日に向けて

J君に会うことに対して

ワクワクしていたのだが

 

 

 

 

その日のために

さらに準備しなければと思うことがあった。

 

 

 

 

 

それは私の服装と

持ち物についてだ。

 

 

 

 

Jくんに会う時は

J君はいつもオシャレで

洗練されたイケメンで

服装も靴もバッグも

どこから見ても素敵なブランドもの

ばかりだった。

 

 

 

 

 

それに引き換え

地味な私は

 

 

 

 

いつも地味なお洋服で

地味なバッグで

地味な髪型で

地味な下着で

どこからどう見ても

地味で華のない雰囲気だった。

 

 

 

 

セラピストという職業の人となんて

会ったことがなかったから

 

 

 

 

 

J君に会うまでは

地味な私は地味なりに

普通の格好でも

生きていられた。

 

 

 

 

 

だがJ君に会うようになり

毎回キラキラとした

かっこよくて魅力的なオーラを放つ

彼の隣に立つと

 

 

 

 

私の地味さと

服装やバッグのみすぼらしさが

際立って見えてしまい

私はいつも心のどこかで

恥ずかしかった。

 

 

 

 

 

一度J君とのデートの時に

こんなことがあった。

 

 

 

 

 

私の母親が若い頃に使っていたというストールを

私にあげると言われたので

 

 

 

古いストールだったけれど

古着の感じが素敵だと思って

それを身に着けていった。

 

 

 

 

私はおかしいなんて

ちっとも思わなかった古着のストールだが

 

 

 

 

 

そのストールを見たJ君は

 

 

 

「そのストール、

 

 

 

うーん・・・・・

 

 

 

 

ちょっとすごいね・・・・」

 

 

 

 

と私に言った。

 

 

 

 

その古い母親のストールは

普段の生活でも使っていて

 

 

 

そこでは

誰にも何も言われたことがなかったけれど

(きっとその古い感じが私に似合っていたのだろう・・・)

 

 

 

 

 

いつもオシャレで

素敵な女性とばかり会っているであろう

J君から見たら

母親からおさがりのストールを

身に着けている私が

きっとこっけいに見えたのだろう。

 

 

 

 

 

 

こう言われて

赤面してしまった。

かなり恥ずかしかった。

 

 

 

 

J君がモデルみたいにカッコよくて

素敵な服装ばかりだったから

地味な私は

いつも気後れしていた。

 

 

 

 

 

でも今までは

セラピストのJ君と

お客様の私ということもあり

それでも仕方ないと思えていたところがあった。

 

 

 

 

 

だが次に会う時は

(お金は支払う予定だけれど)

セラピストとしてのJ君に会うわけではない。

 

 

 

 

 

1人の男性のJ君と

1人の女性の私として会うのだから

 

 

 

 

今までとはどこか感覚が違った。

 

 

 

 

そしてやはり

J君と初めて一緒に過ごす

お誕生日という大切な記念日でもあるので

 

 

 

 

 

今までの「お客様」としての私よりも

何倍も素敵な私として

Jくんに会いたかった。

 

 

 

 

 

それほど

次の誕生日は

私にとってスペシャルだった。

 

 

 

 

 

私は決めた。

 

 

 

 

 

 

お誕生日までに

お洋服やバッグや

下着や靴を選んで

少しでもJ君にふさわしい女性になろう、と。

 

 

 


 

 

それを決めた週末に

 

 

 

 

 

私は東京大丸百貨店の

ルイ・ヴィトンのお店に行った。

 

 

 

 

 

高級ブランド店に

足を踏み入れるのは

実はこの時が

生まれて初めてだった。

 

 

 

 

 

 

この時までの私は

高級ブランド店で

何かを買えるほどの

収入がなかった。

(過去に月収1万円以下のことも

あったぐらいだ)

 

 

 

 

 

 

 

でもこの誕生日の前の時期

たまたまお仕事が順調にいっていて

ちょうど利益がいつもよりも増えていた。

 

 

 

 

今までよりも

少し自由に使えるお金があった。

 

 

 

 

 

本当は

それをさらに自分の仕事の

業務拡大のために

使うべきだったのだけれども

 

 

 

 

この時はどうしても

自分を素敵にするためのお金として

使いたかった。

 

 

 

 

 

 

 

週末、ルイ・ヴィトンのお店の前に行って

お店の敷居をまたいでいいのかどうか

かなり緊張した。

 

 

 

 

 

ドキドキしたが

勇気を振り絞って

 

 

 

 

 

地味な私は

エイッという気持ちで

ルイ・ヴィトンのお店に一人で入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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