驚いたことに・・・・

 

 

 

お散歩の最中に

彼は前回同様に

けっこう彼のことを細かく話してくれた。

 

 

セラピストという立場の彼に

プライベートのことはあまり

聞いてはならないと思っていた。

 

 

 

その予想に反して

彼は思ったよりも

細かく話してくれた。

 

 

 

 

過去に

学んでいた勉強の事

過去のバイトの事

過去の仕事の事

過去の恋愛の事

過去の彼女の事

友達の話

仕事の悩み

 

 

 

 

極力聞かないようにしていたのに

彼のほうから話してきてくれたので

 

 

 

女風セラピストが

こんなことを話してくれたことが

私には

やはり意外だった。

 

 

 

前よりも

深い話ができて

私にとっては大満足の

デートになった。

 

 

 

 

特に印象的だったのが

彼が

 

 

 

「本当は、過去に、

もっと○○したかったんですよね・・・・」

 

 

 

ある後悔のようなことを

口にしたことだった。

 

 

 

私から見たら

アイドルみたいにイケメンで

顔もスタイルも

何もかも完璧で

 

 

 

そんな彼には

欠けていることなど一つもなくて

 

 

 

過去も今も

幸せ全開で

楽しく生きているように

見えていたけれど

 

 

 

そんな後悔のような

言葉を聞いて

 

 

 

彼にも大変なことがあるんだなと

彼の人間らしさのようなものを感じて

やはり

その彼の言葉が

私の胸を打ったのだった。

 

 

私にだから

話してくれているのかな・・・・・

 

 

 

そんなことも

勝手に思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

私はこの時

1ヶ月ぶりに

彼にやっと会えて

色んな話ができて

 

 

 

 

初めての手つなぎもして

バッグも持ってもらえて

 

 

 

幸せの夢の中にいた。

 

 

 

外での

恋人同士みたいな

初デートも

 

 

 

やはり幸せの絶頂だった。

 

 

 

とにかく

ひたすら

楽しくて

この後のお泊りも

前回と同じように

 

 

 

楽しくて幸せな時間が過ぎるのだと・・・・

 

 

 

そう

思っていたし

 

 

 

ただ楽しければいいと

そう思っていた・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど

 

 

 

 

おそらく・・・・

 

 

 

彼は

お散歩の最中も

 

 

 

 

この後の

夕食のときのことを

心の中で考えて

 

 

 

このお散歩のときから

準備したのかもしれないなと・・・・

 

 

 

今ならそう思う。

(当時はもちろん分からなかった)

 

 

 

私にとっては

彼との3回目は

 

 

 

あまりにも

びっくりしすぎて

 

 

 

 

その後1ヶ月ぐらいは

頭がぼーっとして

普通の物事を考えられないぐらいの

精神状態になるような

 

 

 

私の人生でも

記念すべき・・・・

 

 

 

生涯

忘れられない

夜になった・・・・

 

 

 

 

 

おそらく

 

 

かっこいい男性と

デートすることに慣れていて

男性に優しくされることに慣れていて

 

 

 

男性から

温かな言葉を

言われ慣れている人にとっては

 

 

 

 

(そしてもちろん風俗の常識を

知る人にとっては)

 

 

 

 

それほど心が動かないような

そんな夜だったのかもしれないけれど

 

 

 

 

普通な私にとって

 

 

 

そして

こんなイケメンで

アイドルみたいな男性と

デートしたことのない私にとって

 

 

 

今夜聞く

彼からの言葉に

 

 

 

 

何度も何度も聞き返してしまうぐらい

聞きなれないような

 

 

 

私が予期しない言葉

ばかりだった。

 

 

 

 

 

女風セラピストが

そんなことを言うなんて

一切予想していなかった。