紅茶を飲みながら

素敵な時間を過ごしつつ・・・

 

 

 

私は

次は予約しないかも・・・・

 

 

 

そう思っていたのだ。

 

 

 

 

なぜならば

彼は彼氏ではないし

友達でもない。

 

 

 

女風セラピストだ。

 

 

 

 

しかも

こんなにもかっこよくて

若くてイケメンで

お洒落で素敵で

 

 

 

なおかつ

性的サービスが

私にとっては

人生初の幸せぐらい

完璧で最高のものだった。

 

 

 

 

ということは

彼は

絶対に人気セラピストで

私などが

入り込む隙間もないと

そう思ったのだ。

 

 

 

可愛くてきれいで

若くて素敵な女性のお客様に

沢山指名されている彼を

 

 

 

 

 

 

私のような

普通の女が

また指名するというのは

なんだか

虚しいような気もした。

 

 

 

なぜならば

彼は大勢の客に会う中で

私のような女が

これから

相手にされるはずがないと

そう思ったのだ。

 

 

 

今回は初回だったので

彼は顔も知らない私の

指名を受けてくれたし

すごくよくしてくれたけれど

 

 

 

次回からは

彼に会うとしたら

彼の向こう側には

 

 

 

いつも可愛くてきれいで美人な

女性がいるのだろうと

想像しなければならないというのが

すごく悲しく思えてしまった。

 

 

 

 

 

だから

紅茶を飲みながら

 

 

 

 

もしかしたら

もう2度と会うこともないのかな

 

 

 

私は

そんなことも

思っていたのだ。

 

 

 

もちろん

それまでの時間の

幸せと喜びで

心はまだいっぱいだったので

 

 

また会いたいなとも

思っていた。

絶対にまた

今日みたいなことをしたいとも

感じていた。

それほど幸せだったから。

 

 

 

しかし

そう思いつつ

 

 

 

もう会わないかもしれないのだろうな

 

 

可愛い女性に囲まれている

彼を

想像したくないし

 

 

 

もう

こんなかっこいい彼には

会いたくないな

 

 

 

という

矛盾した

気持ちも

同時に私は抱いていた。

 

 

 

 

彼と恋愛のために

会うわけではないし

 

 

 

 

もちろん

客とセラピストとしての

関係性だから

他の女性の事なんて

考えなくて

いいことなのだろうけれど

 

 

 

それでも

その時の私は

他の女性客の姿が

イメージできてしまって

 

 

 

 

それが

少し受け入れがたい感じがしていた。

 

 

 

 

そして

彼にとっては仕事なので

もっと次回の予約のことを

言われるものかと思ったけれど

 

 

 

 

彼も

意外にも

次回のことや

予約の事は

ほとんど口にせず

 

 

 

 

無料延長してくれた

紅茶タイムは

 

 

 

ただ普通に

何気ない話をしていただけだった。

 

 

 

私はぼーっとして

頭もそんなに

働いていなかったので

気の利いた話もできなかった。

 

 

 

 

 

 

彼が紅茶を飲み終えて

 

 

 

「じゃあ、そろそろ帰ります・・・」

 

 

 

 

そう言った。

 

 

 

 

 

 

240分+30分

終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

この時は

彼にもう会いたくないと思った

私が

 

 

 

 

 

この後

何回も

彼を指名することになるなんて

この時は知る由もない。