久しぶりの伊坂幸太郎さん。

面白い。

小学生だったことのある全ての大人が楽しめるのでは。



小学校、その小さな世界で起こる

理不尽や不条理、どうしようもない出来事。

やるせなくて、でも無力で。

誰もが通る、あのなんとも言えない時間。


わかるよなぁ。

でも、案外同じようなことが大人の世界でも起こり続けてたり。

大人になった今でも、

答えのわからないことばかり。

言えなかったり、どうにもできないことも沢山。


だけど大人になったら少しだけ、

折り合いをつけることが出来たり、

逃げることが上手になる。

その訓練のような時間なのかもなぁ。


須賀しのぶさんの本に出会って

色々読んでみたいんだけど

あまり小説がみつからない。

どうやらもとい、

ライトノベルの作家さんらしい。

ということで、もう何年振りかに、

いや下手したら十数年振りにラノベを。



帝国の娘、前後巻。

おもしろー!

バリバリファンタジー。

アニメチックな部分は否めない。

でもなんでしょう。

この人のヨーロッパの歴史への精通具合が

物語に深みを持たせてるのではと思う。

架空の世界なんだけど、

明らかにヨーロッパが舞台だし、

リアルが背景にあるからチープ感がない。

さすが。


続編シリーズがあってすごい巻数あるみたいです。

安定の浅田次郎。

短編集もほんとに素晴らしい。

浅田次郎節炸裂です。



日常と非日常の混ざり具合が絶妙で。

題材や描写は当然面白いし

引き込まれるんだけれど、

その合間に垣間見える浅田次郎その人の感覚みたいなものがすごく好き。


例えば、『丘の上の白い家』の一節。


『丘の上の白い家の住人が誰であるのか、僕らは知らなかったし、知りたいとも思わなかった。も少しマシな生まれ育ちの人間ならば、嫉妬や羨望の感情が湧きもしようが、僕や僕の幼馴染たちにとってその家は、たとえば太陽や月や星々と同じ天然の風景でしかなかった。

公平な世の中に生きる今の人たちに、そんな言い方をしてもなかなか理解してもらえないだろうけど。』


物語なのに、エッセイかな、と思うくらい

浅田次郎の感覚が入ってるように思う。

だからリアルで、より深く物語を楽しめる。

世の中を見る視点のセンスが抜群だと思う。