テレスールのポッドキャスト番組mundo conexo。長くヤネット・ペレス・モヤさんが勤めていたが、今彼女は結婚し出産。子育てに励んでいる。

代わって担当しているのがレアンドロ・ルツキーさん。彼はアルゼンチン人なのだが、なかなか皮肉が利いている。今回のお代は、アルゼンチンがガスの供給不足に陥り、隣国ブラジルから緊急にガスを輸入した。その直前アルゼンチンのミレイ大統領はブラジルのルーラ大統領を「腐った共産主義者」と口汚く罵ったにもかかわらずという話だった。

アルゼンチン人は皮肉や乾いたユーモアを愛するという印象がある。かつてパラグアイのロペス大統領はアルゼンチンの新聞雑誌の皮肉や嫌味に激怒し、それが三国同盟戦争の開戦原因の一つと言われていた。(ジョージ・トンプソン氏のパラグアイ戦争史による)

アルゼンチン人が皮肉を好むのは知的な国民性だから、といいたいのだが、そんな知的なアルゼンチン人がなぜ、ミレイ大統領のような人を大統領に選ぶという愚かな選択をしたのだろう? エルファロという調査報道サイトによると、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領はせんだっての大統領選挙時、亡命ベネズエラ人たちが経営する選挙アドバイザー会社と契約。選挙実務、ネガティブキャンペーン、その他選挙に勝つためのすべての手段を提供し、結果、ブケレ大統領は選挙戦が終わってすぐ勝利を宣言したのだそうだ。おそらく、ミレイ大統領にも同様のことがあったのだろう。「何かやってくれそう」「悪い奴を退治してくれそう」というイメージを信じさせる仕掛けがあったのだと思う。

ラテンアメリカ人でない私たちにとっては、各国のアナウンサーに見るお国柄や個性が面白い。これからも皮肉を利かせてほしい。