「キャット・バルー」、大好きな映画です。
日本ではあまりヒットしなかったが、アメリカでは大ヒットした作品。
実はこの映画、撮影がスタートした時点では「呪われた映画」と
呼ばれていたらしい。いつもお馴染みの京都の知人からの連絡で
断捨離をしていたら、昔のアメリカのゴシップ雑誌が出てきて
面白い記事が出ているので送りますとの事。
「キャット・バルー」の楽屋話が載っています。
☆ 製作者・ハロルド・ヘクト
この映画の製作に乗り出した時には、
資金が殆ど無く、製作その物が危ぶまれた。
☆ 監督・エリオット・シルヴァースタイン
この映画が監督デビュー作。それまでは安っぽいテレビ・ドラマの
演出家だった。オファーした多くの監督に断られて
本作の監督がいなくなってしまったため、安く使えるという事で
彼に白羽の矢が立った。
☆ 主役の一人・ジェーン・フォンダ
この頃、ロジェ・ヴァディム監督と結婚寸前だった。
仕事なんか絶対に嫌、何が何でもヴァディム監督と監督と一緒にいる
と、仕事に対する意欲は全く無し。
あのデイビット・リーンから「ドクトル・ジバゴ」のオファーが来たが
何と見事に蹴ってしまう始末。「キャット・バルー」も断るつもりだったが
愛するヴァディム監督が「やって見たら」の一声でOKしてしまう。
☆ もう一人の主役・リー・マーヴィン
この映画の頃、役と同じく実生活でもアルコール中毒に苦しんでおり
ありとあらゆる仕事から、干されている状態だった。
そんな時のオファー、一も二もなく飛びついた。
事実は、この役ハリウッドの名だたる俳優に断られていたらしい。
ハロルド・ヘクトの製作では、先が思いやられると思ったらしい。
それと、アル中の薄汚れた中年のガンマン役が嫌われた。
製作者は金がない、監督は未知数、主演女優はやる気ゼロ
主演男優は本物のアル中。これで映画が良くも完成したものです。
世の中、面白いもので公開されるや
面白いとの噂でハリウッド中が大騒ぎになった。
ここから奇跡の快進撃が始まる。
製作費が100万ドルもかかっていないこの作品。
公開後は大ヒット。3000万ドルを超える興行収入を叩きだす。
この年の全米映画興行収入のトップ10にランク・インしてしまう。
奇跡はまだ続く、主演のリー・マーヴィンがアカデミー・主演男優賞を
受賞してしまう。他のノミネートされていたのは・・・・。
「質屋」のロッド・スタイガー、「オセロ」のローレンス・オリヴィエ
「寒い国から帰ったスパイ」のリチャード・バートン。
この人達を押しのけての、大穴中の大穴受賞だった。
もう一人の主演・ジェーン・フォンダ。
この映画の演技が評判を呼び、オファーが次々に舞い込む。
自身も女優としての自信が付いたかのように
以後は実力派女優として大活躍が始まる。
呪われた映画として、忌み嫌われた作品が
思いがけない成功が待っているという
映画の歴史上でも稀有な結果をもたらしてしまった。
あちらの古い映画雑誌なので、英語が半分位しか理解できないのが
悔しいが、辞書をを片手に読んでいました。
面白いので何とか全文を読んで見たいと頑張って見ます。
今日も暖かく、気持のよい一日。
老猫たちも浮かれ気味で、元気に走り回っています。