「枢機卿」監督と主演者の不思議な関係 | B級おもしろ映画館

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「枢機卿」   1963年   175分   70ミリで公開

 監督・オットー・プレミンジャー、音楽・ジェローム・モロス

 タイトル・デザイン・ソール・バス

 

 出演・トム・トライオン、ロミー・シュナイダー、ジョン・ヒューストン

    キャロル・リンレイ、ラフ・ヴァローネ

 

ボストン出身の若い神父が、自分の妹が宗教の違いから結婚できずにダンサーになり妊娠してしまい、異常な形での出産となり

赤ちゃんの命か、母親の命かの選択を迫られる。

堕胎が許せない神父は、母親の死を選択する羽目になる。

そのショックから立ち直れず、聖職を休職して英語教師として

ヨーロッパを転々とする。黒人牧師を擁護する等の行為が

宗教界にも認められ次第に出世する事になる。

教え子だったロミー・シュナイダーとの恋も諦め

ナチに抵抗して命の危険にさらされるなどの事も乗り越え

枢機卿の地位にまで上り詰める。

ややこしく複雑なカトリックの世界を描いているだけに

理解しがたい部分もあるが、宗教の世界にも激しい出世主義が

罷り通っていたりする事など、興味津々の部分もあって

3時間近い作品だが退屈する事なく見る事が出来た。

この映画、製作時に幾つか問題があったが

一番大きかったのは監督と主演者の確執だった。

主演のトム・トライオンは、監督からの執拗ないじめに近い

ダメ出しにノイローゼ寸前まで追い詰められた。

あまりの事に共演していたジョン・ヒューストンが

二人の間に入って、監督のオットー・プレミンジャーに注意までした。

普通に考えればトム・トライオンを使いたくなかったと思われるが

1965年の「危険な道」でも、この二人は顔を合わせている。

単純に監督のわがままだったのが本音のようだった。

トム・トライオンはこの二本の出演の後、

俳優を辞めて作家に転身して、それなりに成功している。

普段は知る事のないローマ法王庁の事などが

分かりやすく知る事が出来る作品だった。

 

最初の公開の時は70ミリにブロー・アップされている。

同じ様にバチカンを背景にしたローマ法王を主人公にした

「栄光の座」(1969年公開)も、オールスター・キャストで70ミリで

公開されている。内容が地味な宗教関連の映画でも70ミリなら

客が来るのではないかとの思惑があったみたいだが

残念ながらそうはいかなかった。

その頃の私は70ミリなら何でも見に行っていた。

ポスターのキャチコピーにまんまと乗せられていた一人でした。

 

待望の給付金が入金されていた。

素直に有難い事と受け取っています。

すでに半分近くは使った後ですが・・・・・・・・。

 

黒川さん、賭けマージャンだって!

検事総長の椅子はこれで遠くに行ってしまいましたね。

自分の立場も考えない馬鹿でアホな男は

何処にでもいるものです。