「幌馬車」冴えわたるJ・フォードの西部劇の美学 | B級おもしろ映画館

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「幌馬車」   1950年   86分

   監督・ジョン・フォード

   出演・ベン・ジョンスン、ハリー・ケリー・ジュニア

       ウォード・ボンド、ジョーン・ドル-

 

ジョン・フォードの西部劇です。

「荒野の決闘」や騎兵隊3部作の後に

息抜きのような小粋な佳作です。

安住の地を目指すモルモン教徒の幌馬車隊に

馬を売っていた若者二人が案内役として加わる。

この二人がベン・ジョンスンとハリー・ケリー・ジュニア。

途中、悪漢の一味が加わって、幌馬車隊の人たちを不安がらせるが

若者二人が、あっさりとやっつけて再び目的の地へ向かう・・・。

アクション・シーンも殆どなく、モノクロ・スタンダードの画面に描かれるのは、幌馬車隊が延々と動いているだけ。

そんな淡々としたストーリーの中でも

フォードならではのシーンは幾つかある。

ベン・ジョンスンがウォード・ボンドに幌馬車隊に誘われるシーン。

据えっぱなしのカメラの長い長いワンショットの見事な事。

ベン・ジョンスンが絶えず木を削りながら話を聞いているという

何でもないシーンの味わいの濃さは、西部というか人間を知り尽くしたフォードならではの名人芸でしょう。

ハイライトはベン・ジョンスンの乗馬姿でしょう。

インディアンに追われるベン・ジョンスンの疾走する姿は

映画史に残る乗馬姿でしょう。カッコ良すぎる!

この映画唯一のアクション・シーンですが、見事なものです。

86分という短い作品ですが、全編に西部の雄大な景観が

見え隠れします。モノクロ・スタンダードの画面が

カラー・ワイドよりも綺麗に感じられ、

フォード・タッチに酔わされます。

名作でも傑作でもないこの作品ですが

フォードが描く抒情詩のようで、

いつまでも忘れがたい余韻が胸に刻み込まれてゆきます。

名画座で何度も見て、ビデオ、DVDと繰り返し見ていますが

爽やかな5月の風の中で見るのも良いものでした。

 

昨日はアメーバ・ブログに不具合があったとかで

ブログを公開出来たのが朝になってしまった。

 

昨日は居酒屋のお店でランチ。

今日は居酒屋のテイクアウトのお弁当。

別の店でしたが、二日とも居酒屋のランチとなった。

チェーン店のお店ではなく、個人経営の小さな居酒屋さん。

見栄えも素敵で、味も抜群。料金も安くて言う事なしでした。

コロナ騒ぎが終わってもランチを営業して欲しいと思ってしまった。

 

「ヨーロッパの解放」を、どうにか見終わった。

内容は眠くなるような所もあるが

今後二度とは出来ないスケールの大きさには、圧倒されてしまった。

昔のソビエト映画界の皆さん、ご苦労様でした。