「唇からナイフ」 1966年 118分
監督・ジョゼフ・ロージイ
出演・モニカ・ヴィッティ、ダーク・ボガード、テレンス・スタンプ
「エヴァの匂い」 1963年
「召使」 1963年
「銃殺」 1964年
「できごと」 1967年
「暗殺者のメロディ」 1972年
上記の作品で判る様に赤狩りでハリウッドを追われた
社会派監督というイメージが強いジョゼフ・ロージイ監督。
ヨーロッパに渡ったのちも、4つの名前を使って作品を発表する等
信じがたい苦労を重ねた人でもある。
そんな彼が、新聞の連載漫画を映画化。
007ブームの中、スパイ映画のパロディのような
ナンセンス・コメディに挑んだ。
何と主役にアントニオーニ監督のお気に入りのモニカ・ヴィッティ。
共演がこれもお堅いダーク・ボガード。
胸躍らせて公開初日に、劇場に駆けつけました。
結果は唖然、茫然、半開きになった口が閉まりそうもなかった。
モニカお姉さんが、一体どうやって着るのだろうと思うような
不思議な服をとっかえひっかえしたり、
ダーク・ボガードがかつらを付けていたり、
悪の首領ボガードと一大決戦を繰り広げたり、
お姉さんがあわやの時に、突然アラブの軍団が救援に駆けつけたり、
それなりにギャグもあって面白い所もあるのだが
一本の映画としてみれば、ギクシャクしていて
歯がゆい部分が多くある。
お堅い筈のメンバーでナンセンス・コメディはさすがに無理があった。
この頃、スパイ映画のブームは凄まじかった。
あのドリス・ディさんも「おしゃれスパイ」にでたり
あのデビィット・ニーブンさんも「スパイがいっぱい」に出たり
「キッスは殺しのサイン」などという映画もあった。
文句を言いながらもそれなりに楽しく見ていました。
あまりの好天続きに、家の中に引きこもってばかりでは
身体にカビが生えそうなので、隣の町までドライブ。
ドライブと言っても片道40分程。
本屋に寄ったり、珍しいショップをのぞいたりで
いつもとそんなに変わり映えはしない。
ランチを食べて帰って来たので、時間は少々かかった。
気分転換にはなりました。
帰ってからは、斎藤明美さんの「女優にあるまじき高峰秀子」を読む。
女優と言う職業をとことん嫌った人だったが
女優という職業を完璧にこなした人だった。
それがよく理解できる一冊です。
高峰秀子さん、京マチ子さん、
お二人とも実に綺麗に煙草を喫う人だった。