「黒い牡牛」 1956年 100分
監督 ・ アーヴィング・ラバー、脚本 ・ ダルトン・トランボ
音楽 ・ ヴィクター・ヤング 撮影 ・ ジャック・カーディフ
「トランボ・ハリウッドに最も嫌われた男」の映画の中で
脚本家・トランボが、C級映画専門のプロデューサーに
「脚本が出来たから、これを映画にしろ!」と、一つの脚本を渡す。
その後で「但し、これは一つ欠点がある、この本は傑作だ」と言う。
それがこの「黒い牡牛」。赤狩りの犠牲になっていたトランボの名前は
出すことが出来なかったが「傑作」である事は間違いなく
見事アカデミー脚本賞を受賞する。
少年と闘牛用の牛との友情を描いた物語で
ディズニー作品かと間違いそうになる。
この映画、監督以外は超一流のスタッフが参加している。
音楽はヴィクター・ヤングで、心に染み入るメロディが素晴らしい。
撮影は名手・ジャック・カーディフ。カラー・シネマスコープで
とらえられたメキシコの風景が美しい。
これだけ揃えば、映画が良くなるのは当然で
トランボの言うように傑作になった。
この映画、内容が地味な事もあって日本ではソフト化されてなかった。
やっと7月にブルーレイ&DVDが発売される。
テレビ放映の時に録画して、DVDにダビングした物しかなかったので
これは有り難い出来事で、廉価版ではないが購入しようと思っている。
それ程ドラマチックな物語でもなく、派手な見せ場もないが
思わず引き込まれて見てしまう映画でしょう。
さすがに闘牛の場面は、迫力があり見せ場の一つになっているが
牛が殺されないのも後味が良く、安心して見る事が出来る。
美しい風景と、心に染み入る音楽。
流れる空気までもが優しく感じられる素敵な映画です。
多くの人に見て欲しい映画の一つです。
初めて見たのは神戸の「ビッグ映劇」
一度で出るのが惜しくて、二度見た記憶がある。
DVDの発売が楽しみです。
今日の予想最高気温は32度。
真夏並みの暑さになりそうで、気が重い。