「大いなる勇者」 1972年 108分
監督 ・ シドニー・ポラック
出演 ・ ロバート・レッドフォード、ウィル・ギア
一人の若者が世間と隔絶したロッキーの山奥に入って
猟師となり、大自然の脅威や、インディアンとの戦いを描いた
シドニー・ポラックの静かな傑作。
テクニカラー、パナビジョンで映し出される、ロッキーの大自然に
圧倒される。命あるもの全てを拒否するかのような、厳しい大自然。
そんな中、たった一人で孤独に耐えながら、
生き抜く術を見につけて行く、男の生きてゆく姿は凄ましい。
ひょんな事から、小さな男の子と、インディアンの女を引き取り
疑似家族のような温かい関係が生まれる。
家を建て、幸せな日々が続くが、留守の間にインディアンに襲われ
二人は殺されてしまう。復讐の鬼と化し、単身インディアンに戦いを
挑む。傷つきながらもインディアンを倒してしまう。
再び、たった一人で極寒のローキーの山奥に向かって行く。
西部劇らしいアクション・シーンは、インディアンとの戦いがあるだけ。
後は、孤独なサバイバルの姿が描かれている。
ジョン・ミリアスの骨太な脚本を、そのままフィルムに映した
S・ポラックの手腕は素晴らしい。極寒の地での撮影が、どんなに大変
だったろうと、要らぬこと迄考えてしまう。
宗教的とさえ思える程、静かで抑えたS・ポラックの演出は
J・フォードなどの詩情とは違った趣があり、心に沁みる豊かさがある。
R・レッドフォードも、抑えに抑えた演技で、彼のベストではないだろうか
この人、あまり好きではないが、出ている映画は面白いし、素晴らしい
「スティング」「明日に向かって撃て」「追憶」「コンドル」・・・・・。
西部劇、ラブ・ロマンス、コメディ、スパイ映画にサスペンス。
どれもこれも超一級の面白さ。やはり素晴らしい俳優です。
ちなみにこの映画の主たるロケ地は、R・レッドフォードが購入した
場所の裏山だそうです。この映画、108分と長くない上映時間だが
途中、約2分の休憩がある。不思議でした。
今日は妻が旅行。
こちらも刈谷まで「オーケストラ」を、見に行って来た。
フイルム上映だったので最高でした。
何度見ても面白い。何度見ても生きる勇気が湧いてくる。
楽しい一日でした。