協会本部が支部向けに発行している「支部組織」と題する運用マニュアルがあります。約170ページでびっしり書かれたマニュアルです。

ここには巡回監督や特別開拓者の取り扱い,また法律部門の運営,寄付や購入,翻訳業務に関する概要が記載されています。
ワタミ社内文書のように「365日24時間死ぬまで働け」といった過激な表現はなく,支部の運営の仕方がたんたんと書かれているだけです。
この組織はピラミッド型の階層構造の下の人は上の人がどんな指針で動いているのか知らされません。例えば支部の人は「統治体」が具体的にどんな会議をして,どんな流れで方針が決められたのか知りません。そういう意味ではレイモンド・フランズが具体的な点を著書の中で伝えているのは貴重だと言えます。
例えば統治体では教理の変更を行う時に3分の2の多数決で決められているという事実はレイモンド・フランズの著書がなければいまだに誰も知らないままではないかと思います。
レイモンド・フランズの著書を読むと統治体の会議が聖書に基づく話し合いという雰囲気ではなく,聖霊に導かれて何かを決定しているのではないという印象をうけますが,この「支部組織」運用マニュアルも,ものみの塔協会がひとつの会社組織にように運営されていることを感じさせます。
以下は目次です。

会社運営マニュアルに見えます。
ざっと読んで,気になった点を何回かにわけて書いていきたいと思います。
これは2003年2月の改定版です。しかしすでに第一章の冒頭から差し替えが必要な状態になっていたのが皮肉でした。

「統治体はエホバ神の油そそがれた僕によって構成されています。彼らは王国の業を促進し導きを与える責務を持つ「忠実で思慮深い奴隷」級の代表者として行動しています。(マタイ 24:45)」
2003年当時,統治体は油そそがれた者 の 代表者という認識でした。当時はキリストの食物を委ねられたのは油そそがれたクリスチャンであり,統治体は彼らを代表する立場であると言われていました。
2013年に統治体の8人は神の直属の代表者になりました。
(というより1919年から100年近くそれに気がつかなったらしい)
では現代の油そそがれた者は何者なの?
彼らは,その他大勢のエホバの証人と同じように食物をいただく「召使い」の一部です。
あ
あれ?
考えてみたら「統治体はエホバ神の油そそがれた僕によって構成されています」という文章は今となっては意味をもたないですね。
今までは「忠実で思慮深い奴隷(14万4千人)の代表者」が統治体だったわけですから,必然的に統治体は油そそがれた者で構成されていました。ですからメンバーを補充する場合は「自分は油そそがれた」と主張する人たちから選ぶ必要がありました。
そのうち統治体は油そそがれた者でなくても良いという見解に変わるのでしょうか?
もしこのままの人選を続けると統治体は脂ぎった者だけで構成されてしまいそうです。
しかし2013年7月15日号で「主人は彼を任命して自分のすべての持ち物をつかさどらせる」という言葉を地上ではなく天での出来事に変更したことを考えると,今のところ統治体は「油そそがれた者」から選ばれるという条件を除きたくないようですね。
この人選方法がいつまで続けられるかわかりませんが,アメリカでは「自分はエイリアンに誘拐された」と本気で主張するひとがあとを絶たないのと同じように,油そそがれた者も減ることはないでしょう。
というより,ちょうど映画「未知との遭遇」が公開された後に「自分はエイリアンに誘拐されていた」という記憶がよみがえる人が増えるのと同じように,ものみの塔に何を書くかで,油そそがれた者の人数をいくらでも増やしたり減らしたりできると言ったほうが正確です。( ̄▽+ ̄*)
現状で言うとかなり限られた人材の中から組織のトップを選ぶことになるわけですから,企業の品質維持の面ではかなり危うくなるのではないかとも思います。
話がそれてしまいましたが,次回はマニュアルの具体的な内容について触れたいと思います。
なかなか興味深いものもあります。
つづく