#89 災害時に駆け付ける「精神医療チーム」 | 走れ!介護タクシー JWMTO Presents

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本日のお題【「精神医療チーム」を編成した赤城病院の取り組み】



ゲスト 関口秀文さん (群馬県前橋市・赤城病院院長)
    唐澤卓哉さん (同・赤城病院災害医療業務調整員)

パーソナリティ JWMTO理事の原田一樹&タレント、ラジオDJの沖直実
以下「原田」「沖」「関口」




【精神医療チーム"DPAT"が発足】


沖「先週に引き続いて、ゲストにですね、赤城病院の院長、関口秀文先生に来ていただいております
  よろしくお願い致します」

原田「はい。よろしくお願いします」

関口「よろしくお願いします」

沖「そして、今日はもう一人ゲストが」

原田「もう一人ですね、その同じ赤城病院の災害医療業務調整員という、ちょっと怖そうな、
   災害医療業務調整員をやってらっしゃる、唐澤卓哉さん」

沖「カラタクって呼ばれません?たまに」

唐澤「呼ばれます~!こんにちは~。唐澤と申します。よろしくお願いします」

沖「よろしくお願いします~」

原田「よろしくお願いいたします~。はい」

沖「まず何から聞きますかね」

原田「そうですね、先週、前回は認知症のことをですね、色々お聞きしたんですけど
   その赤城病院が、救急車を導入されたんですよ。
   精神科の病院で救急車、って言うのを聞いたときに、なんだろうこれはちょっと話聞いてみたいな
   と思ったんですね。多分必要があるから導入されたんだと思うんですけど、それでお話を伺って
   行くとですね「DPAT」っていう言葉が耳に入ってきたんです。「DPAT」・・
   この番組の中でさ、「DMAT」の話、何回か話したよね。災害派遣医療チームって言う奴で
   ドクターヘリみたいな感じじゃない」

沖「テレビでもやるじゃないですか、DMATの」

原田「災害が起こったときに本部ができて、医師・看護師とか派遣されるみたいな」

沖「派遣するみたいなね」

原田「そのイメージはわかる。じゃあDPATってなんですか?って話を、今日まずは唐澤さんに
   ご説明頂ければと思って」

唐澤「はい。DPATっていう言葉ですね。非常に聞きなれない、と言われることが多いんですけど
   日本語にしますと「災害派遣精神医療チーム」精神科の医療チーム、ということになるんですね。
   実はですね、東日本大震災の3.11のころはですね、「心のケアチーム」というものが、立ちあがり
   まして、精神科の先生や看護師さんがですね、被災地の支援に当たったんですね。

   ただそれがですね、明確に組織化されていなくてですね、どうしても災害医療となりますと
   ある程度一定の指揮、命令系統がないと従事者が動けない、という実態があるんですね。
   そう言った課題を非常に残してしまいまして、平成25年になるんですけど、厚生労働省の方がですね
   活動要領というものを定めまして、じゃあ「DPAT」と、災害派遣精神医療チーム、というのを
   立ち上げたんですね」

沖「初めて聞いたね」

原田「それであれですか、赤城病院さんが、そのチームに参加してる、っていう言い方で良いんですか?」

唐澤「そうですね。平成30年度から、昨年度からですね。
   まず群馬DPATという形で、群馬県内のDPATという形で参加させていただきました
   その後ですね、先遣隊という編成方式がありまして。
   これはですね、何か災害が起きましたとなった時に、48時間以内に被災地で活動できる
   隊を編成できる病院が、立候補することが出来るんですね」

原田「立候補なんですね」

唐澤「そうですね。まず立候補になります」

原田「そこに立候補されたわけですか」

唐澤「そうですね。赤城病院今の隊編成でですね、充分、48時間以内に被災地で活動できますという
   立候補を」

原田「凄いですね。ちょっと待って群馬でしょ、そうすると近くで、例えば火山の噴火、関係あるか
   分からないですけど、浅間山とか」

唐澤「そうですね。群馬県だと浅間山とかですね、草津白根山とかですね、その辺りも実際
   DPATがですね、長野県でしたっけ、御嶽山の噴火でもですね、活動しておりまして
   群馬ですとやはり、直近では火山という物がですね、非常に活動する部分で、一番近いところに
   なるかと思うんですよね」

原田「なるほど。やっぱりそうなんですね
   そうするとね、DMATっていうのは我々も、ドラマで見たりしてちょっと分かりやすいところも
   あるんですよ。怪我をした人に対して治療するとか、病院に運ぶとか
   DPATってこの精神が入ってくるってことは心のケアとか、具体的には、そのチームの人たちは
   何をするんですか?」

唐澤「えーとですね。例えばDMATさんの方を先にお話しますと、DMATさんっていうのは、災害が起きて
   その災害によって負傷した人を、救援するチームなんですね。
   ただ、DPATというのはですね、被災前から心の病を持った方に対しても支援をしなければならない
   というのが一番の違いになります。あとはですね、被災地に出向きまして、避難所で生活している中
   で、日常的には今まで精神疾患をもってなかったんですが、避難生活が長引くにつれて
   非常に心にですね、何か大きな病気を持ってしまったとかですね、何か症状が出てしまった
   という方もケアする、という役割を持ってるんですね。

   あとこれが、非常に特徴的なんですが、被災地のですね、地域医療に従事する方とかですね
   消防警察の方ですね。本当に支援する側の人もですね、支援の期間が長引くにつれて
   心のケアが必要になってきてしまうんですね。その部分をケアするのもDPATの役割の一つ
   ということになります」

原田「そうすると実際あれですか、関口先生が例えば、指令室になるんですかね。
   指令室の勤務になるか、それとも実際に現場に駆け付けるのか」

唐澤「そうですね。それがですね、その災害の規模によって大きく異なりまして。
   赤城病院が編成している先遣隊というものはですね、指令室というですね、本部を担うことも含めて
   準備を進めています」

原田「なるほどなるほど」

唐澤「本部がですね、例えば現地のDPAT、被災地域のDPATの方が先に本部を立ち上げていた場合は
   県外から参加したDPATは、現場の方の・・」

原田「あっそういう仕組みになってるんですね。(被災の)地元がまず本部をやるみたいな」

唐澤「そうですね。地元が本部をやるケースもありますし、地元が本部ができない場合は
   代わりに本部をですね、こちらが担当するということも、想定されていますね」



【病院として被災者を受け入れる準備も必要】


原田「なるほど。例えばあれですか、先生なんかはそのDPATに参加した、ということで
   心構えというか、準備っていうか、どういう事を何か、赤城病院でされたりしてるんですか。
   そういうのってあるんですか?想定されてたりとか、何か」

関口「平時での準備っていうことですよね。平時の準備としたら
   もちろん、隊の中でのコミュニケーションだとか、災害を想定した物品、機材、こういったものも
   全部準備ですし、今回の救急車も平時の準備も一つですよね。あとはそういう、災害に行く
   って言う事もあるんですけど、南海トラフとか起きたときは僕たちが受け入れるっていうような
   病院にもなっていくので、そういう受け入れ側の、病院としての取り組みを行っていく予定ですかね」

原田「なんか、ものすごい役割ですね」

沖「広いね。すごいね」

原田「南海トラフでしょ。とんでもない災害になるわけじゃない。あれって。おそらくね」

関口「群馬とかって、たぶんそれ(南海トラフ)は、受け入れ側になる。
   東京千葉神奈川、あそこらへんが多分やられちゃう、っていうところなので。
   多分埼玉も受け入れていくような形になっていくかもしれない」

原田「そうですか。実際そのニーズっていうか、ちょっと数字では言えないと思うんですけど
   精神の、メンタルのケアだとか、DPATが必要になって来るっていうのが、どのくらいのケースで
   なんか、説明って上手くできますか?」

唐澤「そうですね。具体例をあげますと、平成28年の熊本地震、だったかと思うんですね。
   熊本地震ではですね、熊本県内の7つの精神科の病院が、大きく被災をしたんですね」

原田「7つも被災したんですね」

唐澤「そうですね。その中で避難が必要な患者さんが、595名いらっしゃった、ということなんですね
   その方をどうやって、他の病院に転院させようか、というところでですね、やはりDPATの活躍が
   非常に大きかったと、いうことになりますね」

沖「転院先を見つけるのが大変ですよね。そんなに7つも(被災したら)」

唐澤「そうですね。熊本県内のほかの病院も、若干では被災してますので
   そこが受け入れできない場合は県外の病院もですね、探さなければならないですね」
   県内外で66の病院に、最終的に595名をですね、避難させたと」

原田「よく避難出来ましたよね。それが凄いな」

唐澤「そうですね。実際にはですね、DPATというものがですね、災害時のマネージメントの知識を
   持ったものが詰まってるんですね。ですので医療の知識看護の知識というのは専門の者がいる
   んですが、やはりその業務調整員の方で、どうやってマネージメントをするかというところもですね
   求められている。という形になるんですね」



【システムの開発・保守をされていた唐澤さん】


原田「そうするとですね、唐澤さんの役割っていうものがね、マネジメントになってくるので
   凄く大変に聞こえるんですよ。しかもそのパニックが起きてるときじゃないですか。
   被災、災害起きてるときで。唐澤さんがあれですか、自分で立候補して、そう言う役割に
   なったんですか?病院でそういう役割を指示されたんですか」

沖「関口先生に無理やりとかね」

原田「関口先生にやれと」

唐澤「関口先生に無理やり・・と言いたいとこなんですけど、実はですね、私がですね
   赤城病院に来る前にですね、救命センターとか手術室のシステムの仕事を
   ずっとやっていたんですね」

原田「システムってなんですか?」

唐澤「例えば患者さんのバイタルというですね、脈拍とか血圧とかそういったものを簡単に管理する
   方法はあるんですが、それをより専門的に管理するシステムが、組まれている病院が全国の中に
   ありまして、そのシステムの保守っていうんですかね」

原田「ITみたいな、ITっぽい感じですか。医療機器」

唐澤「そうですね。ITの方なんですね。医療機器とかですね、ITの方で病院の方にですね
   長く仕事に携わっていまして、そんな中でちょっと、病院に勤めてみたいな、というですね。
   中の病院になってみたいなという、そんな気持ちができたところでですね、丁度「赤城病院」
   35歳の理事長がですね「今改革中の病院です!」なんて」

沖「本当に改革だね、すごいね」

唐澤「そんな求人を見つけまして、ここだと思ってですね」

原田「求人で行ったんですか」

沖「もともと群馬ではなかった?」

唐澤「もともと群馬だったんですけど、お客様がやっぱり、総合病院とか大学病院が多かったので
   全国ですね、病院回らせていただいて、どうしても救命とか手術とかですね
   何かその、なんていうんですかね間接的に、私なんかは医療職ではないので
   何も治療も看護もできないんですが、間接的に自分の力で患者さんの回復とかですね、社会復帰
   ができることに対して、魅力を感じた経緯が、あるんですね」

沖「人を助けたい、って思ってですよね」

原田「そういう立場の人もいるんだね」

沖「お医者さんじゃなくて、資格とかじゃなくて、でそう言う気持ちで」

唐澤「裏方で、頑張っていきたいという気持ちがありまして」

沖「ありがたいね~本当にね」



【救急の精神医療に対応するために】


沖「引き続き、ゲストにはですね赤城病院院長の関口秀文先生、そして災害医療業務調整員の唐澤卓哉さん
  にお話を伺いたいと思いますが、ちょっともう深くて深くて、もっともっとね、曲の間も色々
  聞きたくて」

原田「だいぶ話聞いたんだけどね、曲の間」

沖「すごいね~。まずはやっぱり「救急車」を赤城病院で」

原田「精神病院で、精神科の病院で救急車を導入するって話を、実は僕も今回初めて聞いたんですよ
   ちょっとその理由について、まずは唐澤さんから簡単に」

唐澤「はい。えーとですね。二つほど大きな理由がありまして
   一つはですね、先ほどお話したように、災害派遣のDPATの活動で使いたい、ということですね。
   もう一つはですね「転院搬送」って言って、病院間搬送で使いたい、ということになるんですね。
   病院間搬送については、関口院長の方から」

関口「病院間搬送っていうところで、なぜ必要かっていうとこなんですけど
   元をたどると、基本的に僕が救急医やってるときの、救急医の時に感じてたことなんですけど
   ほとんど日本全国、多くの総合病院の救急の現場っていうのは、精神科病棟を持ってるところが
   結構少ないんですよね。全国的に。で、精神科病棟は、日本全国の90%以上は
   単科の民間精神科病院って言って、総合病院とちょっと分けて、建物も全然違う場所にあるんですよ

原田「そうですよね。本当、病院って分かれてますよね」

関口「そうなんですよ。古めで言うと民間の精神科病院は、都心から離れたところにあったりとか
   そんなイメージですよね。なので地理的に、民間の精神科病院と、都内の総合病院っていうのは
   ちょっと地理的にも離れてて、ちょっと離れてるという現状の中、でも救急外来やってると
   色んな患者さんが来る中に意識障害かと思ってきたら、実は結構、精神症状での意識障害ではない
   精神症状だったとか、アルコールの問題だとか、過量服薬の問題とかで来るという患者さんを経験
   するんですけど、僕たちも救急でやってる時間軸の中で、身体的な問題ではなくて精神的な問題
   が、グンて強く出てきたときに、救急外来の職員も、救急医療の身体治療に特化して対応できてた
   のに、精神医療が全面に出たときには、「さてどうする」という風に、非常に結構ストレスフルな
   状態なんですね。

   そうなってくると、ちょっと精神科の患者さんに、苦手意識を持ってしまったりすると。
   言うような問題が出てきて、救急医やってるときに精神科医とか、精神的な治療のニーズ
   が感じてたんですよね。今こうして精神医療を学んでいく中で、精神医療をやっていくうえで
   救急医にできることだとか、これを患者さんにとって良いことをするには、やっぱり精神科医たち
   も外に出て、アウトリーチをどんどんして行かないと、いけないなと。

   救急医たちってドクターカーとかドクヘリで、どんどん外出てる、普通にやってるんですよね。
   それを精神科医の医療のほうも、外に出て行く医療って言うのをやって、地域で考えて行く医療
   をですね、やっていくって言う所は非常に必要なのかな、というところで、僕たちのアウトリーチの
   一つの方法としての救急車、というところですかね」

原田「精神科のお医者さんの方から、アプローチしていく」

関口「そうですね。地域が病院になっていく、っていう感じですかね。
   その病院病院で医療を完結するんじゃなくて、離れてはいるけど僕たちが出て行くことによって
   そこで地域医療が完結すればいいんじゃないかな、っていうところですね」

原田「すごいです」

関口「医療って人と物があれば、結構医療って、出来ちゃうんですよね。
   僕たち精神科医療なんて、基本的に医療器材、特別な医療器材ってそんなに必要ないので
   人がまず行って、お話を聞いてそこで法的な問題だとか、そういったところを慣れてる
   僕たちが、知識がちょっと少なめの救急のほうにアドバイスだとか、そう言ったことが
   僕たちできるよと提供してあげて、救急たちも安心だし、困ってる患者さんと家族の人たちも
   ハッピーになれるんじゃないかなっていう、ところですかね」

原田「なるほどね。かっこいいね」

沖「すごくないですか。そこまで頭が回らないといけないっていうか、さっきも聞いたんですけど」

原田「チャレンジって言うかさ、今までなかった分野でしょ。一般的な体の病気と」

沖「そう。外科とかと違って、精神的なものってなんかみんな、隔離をしようとか
  ちょっと人から離そうとか、病気なんだけど病気じゃないっていうか、なんかそういう風に思われ
  がちな」

原田「イメージがおそらくあったよね。でも実は、ちゃんと実はあんまり離れてるものじゃなくて
   繋がってたりするんだと」

沖「さっきちょっと聞いたのが、例えば震災でも災害があったときに、そこで具合悪くする方もいれば
  元々具合が、精神的にアルコール依存症だった方なんかは、災害でアルコールが切られたら
  そこからが、暴れ始めちゃったりして、すごく大変だって言う話とかを聞いて
  身近に、そういうこと聞くと、そうだよね同じ体育館の中にそういう方たちも、みんなが一緒に
  なっているわけなんですよね」

原田「そうなの。(治療のために)居られなくなるわけだよね。居られなくなるから別のところに移動
   しなきゃいけない、っていうことが生じるよね。そのために例えば、今の先生に聞きたいのは
   我々介護タクシーって、どんな形で関われるのかなと」

沖「そうですね。移動という意味ではツールの一つに」

原田「どうですか。今、赤城病院さんに介護タクシーの出入りって、あるんですか?」

関口「ありますあります。やっぱりあの、施設から、もちろん入り口としても自宅から病院、施設から病院
   転院での病院もあるし、入院中の他科受診という形での受診もありますし、あと退院した後の
   自宅帰る時とか」

原田「結構あるんですね」

関口「ありますあります。やっぱり精神科という、入院の患者さんも平均年齢徐々に上がって来てる
   んですよね。20年前30年前に比べて上がって来てるので、やっぱりそこは精神科の病院という
   というところも、高齢化の波はありますので、介護タクシーっていうのは非常によく利用させて
   もらってると聞いています」



【介護タクシーで精神疾患を持った患者さんを運ぶ】


原田「あーそうなんですか。でね、例えば先生の目から見て、なんかその、介護タクシーに対して
   "望まれるスキル"、まあ大げさじゃなくても良いんですけど、望まれるスキルとか
   なんかこういうの勉強しておくと良い、みたいなのあります?」

関口「勉強ですか」

原田「勉強とか、本当に我々困る時があって、例えばその精神疾患の患者さんを病院に運ばなきゃいけない
   っていうときに3人体制で行ったりとか、色々現実にはあるんですね。そのときにまあ
   我々医療従事者ではないし、お医者さんの勉強をしてるわけでもないので、どうしたもんかなと
   いうところも、結構現場ではあるんですよ。心がけ的なことというか、例えば」

関口「うーん。その3人体制で運ぶって言うのは、それは同意の上だけど3人でってことですかね」

原田「要は、同意しなきゃいけないんですよね。3人がね。ところが親からの依頼で、同意しなくても
   運んでください、みたいなのもあるんですよ。要するに「嫌だ」と「病院に行くのが嫌だ」と
   言ってる」

関口「本人は嫌がってる」

原田「けど、それも「説得してください」まであるんですよ。そうしたときにどうする
   みたいなことって、結構あるんですよね。(そういうケースが)出てきてて」

関口「そこ法律が結構絡んできちゃうところですよね」

原田「そうですよね。法律が絡むから、実際どうなのかなと」

関口「デリケートなところではあるんですけど。ただ、基本的な現状で言うと、もちろん説得っていう
   ところに尽きる、となってくると思います。そこをどうやって腰を上げていくか、っていうところ
   ですけども、一概には言えないので、そこは僕たちも精神科の外来から、入院の病棟って言う所に
   連れて行くって言う所には、気使うんですけど、一番はやっぱり、患者さんに怪我があっては
   よくない、っていうところはあります。なのでそこは3人だとか4人で、多くの方で行くっていうのは
   非常に有効だなと思います。一人で行くと、非常に本人が抵抗できちゃうので、わっと走ったり
   抵抗しちゃうんですけど、3人4人で行くと、本当に非暴力でおとなしく、怪我もせずに病院まで
   つなげれる、っていうところはあるので、人数かけるって言うのは良いことだと思いますね」

原田「そうですか。やっぱりそうなんですね」

関口「非常に僕たちもそこの、同意をしながら連れてくるって言うことには、かなり時間は割きますし
   非常にデリケートなところなんだろうなと、思います」

原田「例えばその、理屈で説得できないところが多いじゃないですか。
   例えば「あなたはこういう風に悪いから病院に行かなきゃいけないんですよ」
   「じゃあ一緒に行きましょうね」って言ったところで「いやそんな何も悪くないです」
   「必要ないです」って言ったところの、どうやって説得するのみたいなのって」

関口「これはもう難しいです。人間の意思決定の問題なので
   意思決定の理屈で、1回「NO!」って言ってるところで、理屈をいくら言っても、結構人間って
   動かないですよね。なので、そこの意思決定を変えてくって、NOって言ってるってところを
   腰を上げて移動させるっていうところに関しては、これ色んなテクニックもちろんありますし。

   例えば今日着てきた洋服だとかも、昨日の夜から考えて、この洋服を着たいと思って着たかというと
   多分そうじゃなくて、この洋服がタンスの奥にあれば多分選択しなかったでしょうし。
   たまたま手前にあったのを手に入れたと。そういう風に人間の意思決定の行動を起こすときって
   理屈じゃないことが結構多かったりするので、患者さんも、いや、これ、こうこうこういう理屈で
   今は絶対動かないっていうところはあるんですけど、周りの環境だとか、対話する人だとかを
   考えることで、動かせることもあるのかな、というところですけど。
   これはちょっとね、これだけで2時間ぐらいは話はできます」

沖「凄いね~聞きたいね」

原田「凄いよね~」

沖「もっともっと、お話聞きたいですけども」

原田「DPATも含めて、そう言った救急搬送の事も含めて、ちょっと介護タクシーもね、ちょっと積極的に
   関われる部分があったら関わりたいですよね」

沖「私なんか本当にもう、素人なんで、知るってことだけでも大事で
  まず"DPAT"、DMATじゃなくてDPATがあるってことすら、知らない。
  まずはここで知って、聴いてくださってる方も、そういうものがあるんだと知るのと知らないのとでは
  全然違いますからね。凄い、本当に勉強になりました」


第89回の放送でした。
先週に続いて関口先生と、赤城病院の唐澤さんにお越しいただいて
精神症状によって救急搬送されてくるケースへの対応や、災害時の精神医療への取り組みについて
お話していただきました。
精神医療と救急医療の両方に長年携わってきた、関口先生ならではの視点、手腕とともに
病院内のシステム開発、保守の高いスキルを持つ唐澤さんがマネージメントを担い
災害精神医療チームを動かしていく、という赤城病院の取り組みがありました。

また、介護タクシーも精神疾患を持つ方を、病院まで運ぶというケースがあり
精神医療も少しずつではありますが、対応の幅が広がってきている現在です。
高齢者の方や障がいをお持ちの方だけではなく、精神疾患で通院する、ということにも
介護タクシーは対応できますので、通院でお困りの事があれば、是非一度お問い合わせください。


◆聴いてくださってる(ブログを見てくださってる)方から質問やメッセージなど受け付けてます!
 メールアドレス⇒ radio@jwmto.or.jp

次は9/18(水) 11:30~の放送です!お楽しみに!


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