今回はA.I. ARTIFICIAL INTELLIGENCEの通常盤サントラを解説します。
これはですね、多分ですけど私が購入したジョン・ウィリアムズの記念すべき1枚目であったと思いますね。
多分ですが。
大好きな盤です。
曲順は全く時系列順では無いです。
概説とテーマ解説はこちら。
曲目解説
1.メカ・ワールド
1曲目から映画後半の曲ですが、サントラとしてはワクワクが始まる感じの曲なので聴きやすさとしては悪くないですね。
というわけで、デイビットとジョーがヘリコプターでルージュシティを飛び立つ時の曲です。
曲はそのままでマンハッタンへ入っていきます。
終盤で不穏な感じになりますが、最後に穏やかなデイビットのテーマが聴こえてきます。
曲名からメカが活躍しまくる世界の映画のようにも見えるので、
サントラの冒頭からミス・リードを誘う作であるようにも思えます。
私はサントラを買ってから映画を観たので、感動系で意表を突かれた記憶があります。
2.見捨てられて
映画の序盤、デイビットが母親(デイビット目線で)に棄てられる悲しいシーンの曲です。
母親のモニカにしてもある程度不本意ではあるわけで、激情的な曲となっています。
メロディは運命のテーマですが、ここで運命のテーマが流れるというよりはこの曲を私が運命のテーマと定義したといった感じです。
3.レプリカ
マンハッタンに辿り着いたデイビットは、そこに自らと全く同じ姿かたちをしたアンドロイドの抜け殻がズラッと並んでいるのを見て愕然とします。
所詮自分も母親の愛さえも本物なんかではなく、造られた幻影なのであると。
冷たい響きのする弦楽を中心に穏やかに演奏される曲です。
4.ハイド・アンド・シーク
映画最序盤、まだ平和だった時のモニカとデイビットの交流の曲です。
曲名は「かくれんぼ」です。
まだ愛をインストールされてもおらず、ただただ無垢なデイビットの模様です。
明るく楽しい曲で、このサントラを代表する曲であると言えます。
曲の途中から主旋律としてデイビットのテーマが明るく流れてきます。
5.フォー・オールウェイズ(歌唱:ララ・ファビアン)
本作の愛のテーマである、モニカのテーマのボーカル曲アレンジバージョンです。
シンシア・ワイル作詞、デビッド・フォスター プロデュース、ウィリアム・ロス オーケストラ編曲で、ベルギー出身の歌手ララ・ファビアンが唄っております。
ウィリアム・ロスといえば近年のジョン・ウィリアムズ作品のオーケストレーターであり、
超多忙だった2002年の御大のサポートとしてハリー・ポッターと秘密の部屋の補作も手掛けています。
そして基本的には御大ノータッチのこのトラックですが、超いい歌。
ジョン・ウィリアムズ・マニア的にもとても良い出来です。
ジョイサウンドにも入ってますのでみんな唄おう!
子門真人版のスターウォーズ唄うよりずっと良いでしょ?
メロディは完全にモニカのテーマです。
というより、このトラックを下敷きに採譜したんですが。
6.サイバートロニクス
6曲目にして映画冒頭曲です。
正確に言うと冒頭は無音ですが、しばらくして最初に流れてくる音楽です。
静かでどことなく不穏な曲です。
陰謀とかそういうのではないんですが、これから展開される不穏な出来事を暗示するような、そんな弦楽曲となっております。
7.ムーン・ライジング
デイビットが迷い込んだ森の影から月が昇りました。
人間至上主義者の祭典、生の饗宴ジャンク・フェアによるガラクタ狩りが始まります。
ろくでもない月です。
まずはジョン・ウィリアムズらしいサウンドの仰々しくもダークなスコアから始まります。
次にバイカー・ハウンドが放たれ、ここで急にハードロック調のエレキギターサウンドに替わります。
これはジョン・ウィリアムズ作品では珍しい感じのサウンドですが、息子にしてTOTOのボーカルであるジョセフ・ウィリアムズが関わっているようです。
非常にかっこいいパートになっています。
その後は再びいつものジョン・ウィリアムズ・サウンドに戻ります。
8.ストアード・メモリーズ&モニカのテーマ
映画の終盤、未来のロボットが氷漬けになったマンハッタンの発掘現場に向かうシーンです。
静かなヴォカリーズの曲となっています。
ホルストの惑星の海王星みたいな神秘的な感じです。
後半はピアノによるモニカのテーマです。
心の琴線に触れるような美しい音楽になっています。
9.ホェア・ドリームス・アー・ボーン
エンド・クレジットです。
モニカのテーマのヴォカリーズです。
美しい・・・。
ジョン・ウィリアムズ作品のエンド・クレジットでも屈指の美しさです。
歌手はバーバラ・ボニーというオペラ歌手です。
10.ルージュ・シティ
冒頭は見捨てられてです。
ルージュシティとは関係が無いし、多分2トラック目と同じ音源です。
本編ではこの部分でリヒャルト・シュトラウスのばらの騎士のワルツが流れます。
この曲を使うのはキューブリックの遺志だったとの事ですが、その個所は不明だったとの事。
ルージュ・シティをサントラに収録する構成上、この部分を見捨てられてに置き換えたという事でしょう。
後半は賑やかなルージュ・シティの様子を描写しています。
華々しい夜の街の描写かというとそうでもなく、むしろ生き生きとしたジョーの様子の描写と言えるかもしれません。
この曲を聴きながらすすきのの風景を思い起こしてみましたが、全くしっくりきませんでした。
すすきのにはこの曲よりも細川たかしの方が似合います。
って、なんの話をしているんだ私は。
11.ブルー・フェアリーを探して
デイビットが本物の男の子になりたくてブルー・フェアリーを探しています。
言わばそれは運命を司る妖精なのであり、運命のテーマがうっすら流れています。
そしてヴォカリーズで唄われるブルー・フェアリーのテーマ。
ようやく会えたんだね。
デイビットの切実な願い、「Please,make me a real boy.」が観客の心を締め付けます。
私はこのシーンを観ると何回でも泣きますね。
名台詞です。
12.再会
映画の最終盤、未来ロボットの技術により母親が1日だけ蘇りました。
デイビットが願いに願った母親との二人っきりの時間。
美しすぎるモニカのテーマ。
音楽だけで泣けるし、実際涙ぐみながら記事書いてます。
めちゃめちゃ名スコアですね・・・。
後半にデイビットのテーマが挿入されるのも良すぎます。
デイビットのテーマが穏やか過ぎるし、それをすかさずモニカのテーマが包み込んでくれるのもいい。
いささか長い曲ですが、それもいい。
2人だけの時間はいつまでも続いて欲しいし、この二つのテーマ以外が一切混入してこないのも完璧。
何もかもが良すぎる名スコアです。
13.フォー・オールウェイズ(歌唱:ララ・ファビアン&ジョシュ・グローバン)
最後に再びモニカのテーマのボーカル曲アレンジバージョン。
今回はデュエット・バージョンです。
美しいデュエットです。
サントラのラストを締めくくるのに非常に良いです。
このサントラばかりは時系列順を完全無視している事を全面的に支持します。
以上、これはジョン・ウィリアムズ史上屈指の名盤であると私は思っております。
しかしながら本作は3枚組の完全版サントラが出ています。
次回はそちらの解説をします。


