スター・ウォーズが一区切り着いたので、
しばらくは今年リリースされた案件を記事にしていきます。
まずは続・激突!/カージャック。
黄金コンビたるスピルバーグ×ジョン・ウィリアムズの初作です。
これが何故か全くサントラがリリースされてなかったのですが、
映画公開50周年(!!)にしてまさかのリリース。
歓喜!
それにしても50周年。
あの黄金コンビはもう50年もやってらっしゃいますか。
50年で30作もやってらっしゃる。
とんでもない。
続・激突!/カージャック Amazonに取り扱い無かったのでタワレコ
さて、本作は「続・激突!/カージャック」です。
邦題は。
しかしながら「激突!」とは全く関係のない映画です。
変な邦題付けちゃったやつです。
ハムナプトラ2みたいな。
2作目にはハムナプトラ出てこないじゃんみたいな。
まぁ、あれはわかる。“The Mummy”じゃ日本人観に行かない。
でもこれは「シュガーランド・エクスプレス」で良かったよね。
で、ジョン・ウィリアムズには大きく分けて3つの作風があります。
・シンフォニックなやつ
・ソロ楽器フィーチャーした静かなやつ
・ジャズ的なやつ
本作はソロ楽器をフィーチャーした他では聴き当たらない珍しいやつです。
ソロ楽器はハーモニカ。
ハーモニカ!!
曲調は、なんか、こう、テキサス!って感じ。
舞台テキサスだし。
スピルバーグの映画監督1作目だしね。
肩肘張ってない感じで良いです。
非常に聴きやすいしね。
曲の内容的には、情景音楽です。
人物のテーマとかは無いです。
だからもう、なんなら映画観なくても聴いていい。
映画はね、これは個人の感想ですが、主人公がイライラする。
ああいうバカ嫌いなんですよね。
あれ、どういうオツムしてたら子供取り返したあと穏やかに過ごせると思えるんだ?
ムショにぶち込まれるに決まってんだろう?
ムショから出たあと養育権得たらしいけど、あんなのに育てられる子供が可哀想。
子供は親を選べないんだからね。
主人公はアレですが曲は最高!
曲目解説行きますか!
曲目解説
1.The Sugarland Express - Main Title
冒頭シーンで流れるメインタイトル曲です。
ギターに乗せて奏でられるハーモニカの音色の心地よさ。
そこに被さってくる弦楽のハーモニー。
非常に心地よい曲です。
2.Freedom At Last
夫のクロヴィスを脱獄させたルー・ジーン。
スチールギターの脳天気な調べが旅立ちを彩ります。
3.The First Chase
自動車を盗んだバカ夫婦 若夫婦はパトカーに追いかけられます。
ライナーによると、この曲は映画の尺の編集の都合でカットされたようです。
本編では流れませんが、スピーディーな曲です。
4.Taking The Jump
成り行きで警官ごとパトカーをカージャックしたバカ夫婦 若夫婦。
いや、どういう成り行きだよ。
ハーモニカとスチールギターがどこか牧歌的な曲を奏でます。
もう彼らの脳みその中身が牧歌的すぎてね。
5.The Caravan Forms
タナー警部出動!
ドラムラインによる少し緊迫した曲です。
ミッドウェイでも聴けるような雰囲気の曲ですが、
途中からハーモニカが加わってきてやっぱり長閑。
6.To The Roadblock
人質のみならず犯人の生命も安全に解決したいとのタナー警部の方針のもと、
行く手のバリケードを解除したテキサス警察。
これも緊迫した感じの曲です。
口琴がビヨンビヨン鳴ってるのが御大には珍しい感じ。
7.Sugarland Dance
ハーモニカによるダンサブルな曲。
多分本編で流れてないですねぇ。
8.Road Ballad
これは冒頭の刑務所の広場のシーンと、逃走中のカーラジオから聴こえてくる曲です。
ハワイアンっぽい明るい曲です。
御大はこんな曲も書けるんですねぇ。
9.Out Of Gas
ガス欠になりタナー警部にパトカーごと後ろから押させる2人。
バックミラーに映る警部のなんとも言えない表情。
ここで流れるメインテーマ。
警部に付き従って大名行列のごとく進行していくパトカーの行列。
シュール。
10.Trading Stamps
途中のガソリンスタンドに立ち寄り、
呑気にスタンプラリーをしようとするルー・ジーン。
それを呆れ顔で眺める警部。
なるほど、そういうテンションで進んでいくんだといい加減にわかってきた。
11.Police Cars Move
冷やかしのパトカーまで合流してきてますますパトカーの車列は伸びる。
もうこれはコメディ映画って事でいいですね?
これも緊迫系の曲。
12.Along The Route
社内で呑気に通販カタログを眺めるルー・ジーン。
おしっこしたいと言い出すルー・ジーン。
呑気に奏でられるハーモニカの調べ。
なんかもう、いっそ平和ですね。
13.Man And Wife
中古車屋の快適なキャンピングカーで一夜を過ごすことにした2人。
ハーモニカ1本による奏鳴曲。
14.Franklyn Falls
キャンピングカー内で鑑賞しているルーニー・テューンズに当てた曲。
そんなもんまで作曲するジョン・ウィリアムズ。
なお、ルーニー・テューンズ原作の音楽担当のカール・スターリングは
レイモンド・スコットを度々引用している。
そのレイモンド・スコット率いるクインテットには、
ジョン・ウィリアムズの父のジョニー・ウィリアムズが在籍していた。
すなわち、御大はここで間接的にではあるが父の足跡を辿っているのである。
15.Sealing The Bargain
人質にされてるスライド巡査の男気。
タナー警部の人情。
その心情を描く繊細な感じの弦楽曲です。
16.The Deputies Arrive
2人が向かっている子どもの里親の家で狙撃体制を整える警察部隊。
不穏な不協和音が流れます。
17.The Onlookers
未使用曲か?
南部!って感じのノビノビした明るい曲です。
18.Open Highway
これも未使用曲か?
ハーモニカがリズムを刻み、謎の声が入る謎曲。
19.Pursuit
これも未使用曲か?
パーカッションの曲です。
ティンパニー芸ですね。
20.Over The Next Hill
無駄に伸びすぎてるパトカーの車列を描写した滑稽な曲。
21.Setting The Trap
里親の家に近づく2人。
不穏な不協和音。
これは絶対に怪しい。
22.Last Conversation
2人とタナー警部、最後の交渉。
不穏。
ここで折れてくれなかった以上、狙撃せざるを得ないんだ。
悲しい。
23.The Final Ride
クロヴィスが撃たれ、呆然とするルー・ジーン。
最後の力を振り絞って運転し、逃走するクロヴィス。
悲壮感のある弦楽のハーモニーに乗せて、
絞り出すようなホルンによるメインテーマ。
静かに奏鳴するトランペット。
おや?もしかして金管楽器の出番この曲だけ?
24.The Sugarland Express - End Title
夕日に黄昏れるスライド巡査。
なんとも切ないエンディング。
ハーモニカによるメインテーマです。
以上です!
書ききったし、気がついたら3時間書いてた。