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番外記事

変化球ですが、メータ盤です。

オリジナルサントラ盤以外の物にも目を向けていきたい。

 

これは色んなバージョンで発売されてますが、

とりあえず現在Amazonで一番お求めやすいのを貼っておきます。

ホルスト:惑星 / ウィリアムズ:スター・ウォーズ

とまぁ、「スターウォーズ」組曲組曲「惑星」との
カップリングが多いようですが、
私の手元にあるのは3枚組の「メータ・スペクタキュラー」という盤で、
 
Disc1.
 ・交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」(R.シュトラウス)
 ・「スターウォーズ」組曲 (J.ウィリアムズ)
Disc2.
 ・組曲「惑星」(G.ホルスト)
 ・「未知との遭遇」組曲 (J.ウィリアムズ)
Disc3.
 ・バレエ音楽「春の祭典」(I.ストラヴィンスキー)
 ・バレエ音楽「ペトルーシュカ」(I.ストラヴィンスキー)
 ・15人の器楽奏者のための8つのミニアチュア(I.ストラヴィンスキー)
 
となっております。
スペクタクルな感じです。
概ねスターウォーズを作曲する際に参考にしたと思わしきラインナップです。
 
実際のところ、「惑星」なんかはどう聴いても
スターウォーズの元ネタになっています。
 
「火星」は明らかに「帝国の襲撃」の元ネタですし、
「木星」の冒頭のパッセージの構成は明らかに
「スター・ウォーズ・メイン・タイトル」のイントロの構成に近似しています。
直接的にも近似点はありますが、
オーケストレーションも明らかに参考にしていますね。
 
そもそも宇宙を舞台にした映画にフルオーケストラの曲を作曲する際に、
「惑星」を念頭に置かないことは無理があります。
今となっては「宇宙」といえば「スターウォーズ」になっていますが。
 
メータ盤ですが、筆者は実は「惑星」コレクターで、
各指揮者の盤を10種類ほど持っていたりもしますが、
メータの演奏について論じるのはよしておきましょう。
ここはジョン・ウィリアムズ・ファン・ブログですから。
 
もちろん一番好きな「惑星」盤は
ジョン・ウィリアムズ指揮ボストン・ポップス・オーケストラです。
言うまでもないことですよ。
贔屓ですよ。
 
 
さて、「スターウォーズ」組曲ですが、スターウォーズのヒットを受け、
ロスアンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督だったズービン・メータが、
ジョン・ウィリアムズに演奏会用の組曲化を打診し、
ジョン・ウィリアムズが自ら編曲したものです。
ズービン・メータはバリバリのクラシック界の指揮者ですが、
ズービン・メータは最初からスターウォーズをクラシック作品として扱ったわけで、
これは画期的なことだったのだと思います。
当時のことはよく知りませんが。
 
組曲の構成は、
1.スター・ウォーズのテーマ
2.王女レイアのテーマ
3.小人のジャワズ
4.酒場のバンド
5.闘い
6.王座の間とエンド・タイトル
となっています。
 
 
演奏としては、メータ独自の解釈が結構含まれています。
クラシックの指揮者ってそういう仕事ですから。
エンド・タイトルに至ってはそれ譜割り違うんじゃないの?というレベルで。
 
これが興味深いのが、こういう独自解釈の演奏って
今となっては難しいと思うんですよ。
 
まず、スターウォーズのテーマなんかは一般の耳に原典が馴染みすぎていて、
もはや個人の解釈の割り込む余地がない。
みんな正解を知りすぎている。
変な解釈で演奏しようものなら、うるさいファンが黙っていない。
私か。
 
もう一つ、今やジョン・ウィリアムズは大巨匠ですが、
当時は駆け出しであり、ズービン・メータこそが巨匠だったわけです。
ステファヌ・ドゥネーブグスターボ・ドゥダメル原田慶太楼とは
立ち位置が逆なんですよ。
 
 
この組曲の意義としてもう一つあるのが、
この組曲によってスターウォーズの楽曲構成の整理が出来たという事です。
 
オリジナルサントラを連続で聴くと、
新たなる希望はどことなく荒削りな感じがしていて、
帝国の逆襲で一気に洗練されてるんですね。
 
これ、この組曲でコンサート用の楽曲として仕上げた成果だと思うんですよ。
ロサンゼルス・フィルに演奏してもらうのに御大も気合が入ったんだと
思うんですよね。
 
 
では、楽曲解説にします。
大した書くこと無いですけど。
 
 

 

1.スター・ウォーズのテーマ

これは今でもコンサートでよく演奏されるバージョンです。

オリジナルのメイン・タイトルは案外短いですから、

オープニングクロールからパンした瞬間にエンド・クレジットに繋げるように

編曲したんですね。

だからこの曲と王座の間を両方演奏した場合、

同じ部分を2回演奏し、客は2回聴くことになります。

2回聴けるのは全然嬉しいですが。

 

 

2.王女レイアのテーマ

これはオリジナルサントラ盤に入ってるのと同じです。

逆に言うと、同じなのはこの曲だけです。

 

 

3.小人のジャワズ

これはジャワのサンドクローラーの末尾を拡張し、コンサート用にした曲です。

だいたい原曲通りです。

原曲は途中の帝国のモチーフの所で切れます。

 

 

4.酒場のバンド

これはオーケストラ用に編曲はしなかったようです。

ズービン・メータが指揮したわけでも無さそうです。

原曲ともアレンジがだいぶ違いますが、そりゃそうだ、ジャズだもの。

ジャズをオリジナルに忠実に演奏してどうするって話です。

 

 

5.闘い

バトルミュージックをコンサート用に集めて編曲しています。

まず冒頭はファルコンがトラクタービームでデス・スターに

引き込まれるシーンより。

次にベン・ケノービがフォースと一台となるシーン。

そして急にヤヴィンの戦いのクライマックスに突入。

そのままデス・スターが粉砕するところまで演奏しておしまいです。

 

 

6.王座の間とエンド・タイトル

これも今でも一般的に演奏されるバージョンですね。

今年の御大の来日コンサートでも演奏してくれました。

王座の間まではオリジナル通りです。

その次に「じゃんじゃじゃんじゃじゃんじゃじゃじゃじゃじゃっ!」

とは来ないでシンプルに「じゃじゃじゃじゃっ」っと一旦締めます。

そしてオリジナルにはないアレンジのフォースのテーマが挿入され、

オリジナルより賑やかなアレンジがなされた共和国のテーマが演奏されます。

そして満を持して

「じゃんじゃじゃんじゃじゃんじゃじゃじゃじゃじゃっ!」

と来て、エンド・タイトルに突入。

ここからは原曲通りですが、最後に原曲には無い共和国のテーマが

再度高らかに演奏されて組曲を締めます。

実に感動的なコンサート曲となっており、全スターウォーズファンが泣きます。

え、泣かない?泣こうよ!

 

 
 
この盤については以上です!
他にも旧三部作のカバー版色々ありますが、気が向いたら記事にしますね。