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29.エピソード3 シスの復讐サントラ解説 後編

エピソード3後編

これで一区切りです。一息。

 

一旦スターウォーズの音楽論は中断し、他のサントラ記事に手を回します。

そのうちエピソード7以降と、ローグ・ワンなんかも解説していきます。

その辺はジョン・ウィリアムズ作曲に拘らず。

帝国の影なんていうのもありますね。

マンダロリアンって大傑作もありますね。 

 

スター・ウォーズ エピソード3 /シスの復讐 オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

  楽曲解説

 

8.パドメの黙想

メイス達が議長逮捕に向かった直後のシーンで、

物思いに沈むパドメの様子です。

特徴的な女性ボーカルが聴こえてきます。

パドメのアパートから遠く見える、

ジェダイ聖堂ではアナキンが葛藤しています。

 

曲の後半では四分音符を基調としたゆったりとしたパッセージが流れます。

これはどこで流れている曲なのか聴き当たりませんでした。

見つけた方、心当たりのある方いらっしゃいましたら

コメント欄にお願いします。

 

 

9.アナキン対オビ=ワン

世紀の大決戦。

アナキンvsオビ=ワンです。

曲は英雄たちの戦いではあるんですが、

コンサートバージョンが4拍子であるのに対して、ここでは3拍子です。

しかしながら本編内ではここでしか流れない曲であるからして、

むしろこっちが原曲?

 

ややすると帝国のマーチに移行します。

こちらのシーンはヨーダvsパルパティーンです。

ここの用例はヴェイダーのテーマというより、帝国のマーチですね。

ヨーダが「そなたの帝国は1日で終る。それでも長すぎた。」と語ります。

 

このシーンがヨーダのテーマでも皇帝のテーマでもなく

帝国のマーチであるのは深い意味があると思います。

まず、二人の力は拮抗しているんですね。

ヨーダのテーマだとヨーダ優勢になっちゃうし、

皇帝のテーマだとパルパティーン優勢になっちゃう。

逆にアナキンvsオビ=ワンにダース・ヴェイダーのテーマ

使わなかったのも同様の理由ですね。

 

かといって運命の闘いはまだ温存したいので、

ここは帝国のマーチが圧倒的正解。

ちなみに、ここの帝国のマーチ

帝国の逆襲でヴェイダーがルークに"I am your father."と告げるシーンの

アレンジになっていますね。

ここでそのアレンジを・・・。

 

シーンはアナキンvsオビ=ワンに戻り、曲も英雄たちの戦いに戻ります。

少しするとフォースのテーマがコーラスと共に重厚に流れてきます。

アナキンとオビ=ワンが互いの手を向け合い、

フォースの力比べをしているシーンです。

 

曲は英雄たちの戦いに戻り、サントラではすぐに曲が終わります。

本編では途切れることなく運命の闘いになだれ込みます。

激アツ・・・。

 

10.アナキン、闇の所業

 

オーダー66後のジェダイ聖堂に潜入したヨーダとオビ=ワンが

ジェダイ聖堂内の惨状を確認するシーンから曲が始まります。

 

続く男性コーラスが轟くシーンは

ムスタファーで分離主義首脳陣をバサバサ斬り捨てるアナキンのシーン。

その次の穏やかな曲の部分は元老院議場で演説する皇帝のシーン。

再びムスタファーのアナキン。

アナキンがこっちを向いて、

黒目が黄色く変貌していることを示すと同時にダークな男性コーラス。

 

シーンは議場の皇帝に戻り、銀河帝国の樹立を宣言。

再びムスタファーに戻り、アナキンがヌート・ガンレイを斬り捨てると

曲は一番の盛り上がりを見せます。

 

ここで本編では一旦曲ストップ。

静かな別曲が流れます。

 

オビ=ワンがパドメのアパートでパドメに

「アナキンはダークサイドに取り込まれた」と告げるシーンから曲が再開。

悲痛に満ちた旋律が流れます。

そのままムスタファーにシーンが移り、

溶岩を見て黄昏れるアナキンで曲が終了。

 

 

11.ベイダー卿、登場

 

冒頭の印象的なホルンのファンファーレは本編では聴き当たりませんでした。

これはですね、

多分ですがオビ=ワンがタンティブⅣに合流するシーンだと思います。

本編ではエピソード1の曲が充てられており、

記事の前編6曲目でも述べた通りサントラにも収録されています。

しかしながらシーンと曲を同時再生してみたところ完全に一致しました。

これはルーカスがエピソード1の曲を充てたいと希望し、

御大も同意して曲を録り直したパターンではないかと想像します。

 

ヨーダ、オビ=ワン、ベイルが話すシーンに続いて、

低音の金管群とホルンによってムスタファーの情景が描写され、

ムスタファーに集う分離主義者首脳を労うシディアスのシーン。

 

続いて明るい弦楽器群のパッセージと共にタンティブⅣがコルサントに到着。

ベイルに元老院への参集要請が届く静かな部分を挟み、

再び流麗な弦楽器群によるパッセージと共に元老院に到着。

 

再び低音の金管群によってムスタファーの情景が描写され、アナキンが到着。

分離主義者首脳の部屋にアナキンが入場し、フォースでドアを締めると

ダース・ヴェイダーのテーマ

 

シーンはジェダイ聖堂の前でクローン兵を斬り倒すヨーダとオビ=ワン。

ここでフォースのテーマ

 

続くシーンは皇帝が元老院議場でジェダイ殲滅を演説するシーン。

音量が小さく本編では聴き取りにくいですが、

ここで皇帝のテーマが流れています。

 

ここで曲は終了。

 

 

12.業火

 

選ばれし者だったのに!

弟だと思っていた!

愛していた!

 

スターウォーズ随一の、いや、唯一の泣き所です。

スカイウォーカーの夜明けエクセゴルでの

メイン・タイトル奏上も御大への想いが溢れて泣きましたが、

あれで泣くのは多分我々ジョン・ウィリアムズ・マニアだけだと思われ。

 

とかく、この曲については解説不要ですね。

考えるな!感じろ!

 

 

13.グリーバスとシディアス卿の会談

 

グリーヴァスがウータパウに到着するシーンです。

いや、突然の序盤!シーン戻りすぎ!

 

グリーヴァス将軍のテーマは流れませんが、

同じテイストのかっこいい曲が流れます。

グリーヴァスがシディアスとリモート会談し、

その後パドメのアパートにシーンが移ると

本編では曲は2トラック目に移行します。

 

サントラでは違う曲に繋がっていますが、これがなんの曲なのかは不明でした。

心当たりある方はコメント欄に!

 

 

14.双子誕生~パドメの運命

 

ポリス・マサでパドメが身籠っている子供が双子であると判明した時から

曲が始まります。

穏やかな曲の合間にダーク調の曲が挟まりますが、

この部分ではアナキンが帝国の医療センターで悶絶しています。

パドメとアナキンを対比的に描写していて非常に切ない・・・。

 

シーンはパドメの出産シーンに戻り、ルークとレイアが誕生。

グロッケンの美しいパッセージ。

本編のほうがちょっとだけこの部分の曲が長い。

 

シーンがアナキンに移ると曲はクレッシェンド。

遂にベイダーのマスクがアナキンに被されました。

本編ではここでヴェイダーのテーマ

サントラでは残念ながらカット。

 

シーンは産後のパドメへ。

パドメがアナキンへの想いを吐露しながら息絶えると葬送行進曲

エピソード1でのクワイ=ガンの葬儀の時の曲です。

葬送行進曲のままヴェイダー誕生のシーンへ。

ここでベン・ケノービが語った「お前の父はヴェイダーに殺された」

伏線が御大によって見事に回収されます。

見事すぎる・・・。

 

タンティブⅣがナブーに到着するシーンで曲は終了。

 

  

15.新たなる希望~エンド・クレジット

  

頭のホルンの部分は本編で流れません。

オルデランのベイルと妻ブレアのシーンから。

 

まずはレイアのテーマ

レイアはオーガナ家でオルデランで育てていきます。

 

続いてはルークのテーマ

ルークはラーズ家に預けられ、オビ=ワンが見守ることになります。

 

続いてフォースのテーマ

というより2つの夕日

水分農場の脇で幼子ルークと共に夕日を眺め、

フォースのテーマで未来への希望を高らかに謳い上げるという、

サーガの円環のラストとしてこれ以上考え得ない最高のシーンで

映画の幕を閉じます。

 

 

そしてエンド・クレジットに突入。

 

まずはいつものジャンガジャンガ

めでたくないけどめでたしめでたし。

そしてスターウォーズのメインテーマ

反乱軍のファンファーレ

再びメインテーマ

ここまではいつも通り。

 

ここでじっくりしっとりとレイアのテーマ

胸アツ。

サーガの最後に原点のエンドクレジットに回帰。

と共に、未来への希望をレイアに託す。

ルークにはエンド・クレジット冒頭で託してますからね。

 

曲は英雄たちの戦いへ。

今作のハイライトですからね。

 

 

この先は御大の集大成。渾身の組曲です。

サントラではたっぷりじっくり聴かせてくれますが、

流石に長過ぎるので本編では割愛されてます。

まずはサントラ盤の流れから。

 

英雄たちの戦いが終わると聴き馴染みのあるファンファーレ。

王座の間ですね。

エピソード4のラスト・シーンの曲です。

ファンファーレに続いて力強いフォースのテーマ

 

続いて共和国のテーマ

 

じっくりと聴かせてくれたあと、当然ながらジャンガジャンガには行かず、

オーボエによるしっとりとしたフォースのテーマ。 

まぁ、組曲版の王座の間の流れです。

 

そして曲は再び盛り上がり、共和国のテーマ

その後のジャンジャジャンガは流石に割愛して、

オリジナル版のエンド・クレジットの後半に接続。

スターウォーズ・メインテーマ

 

反乱軍のファンファーレが轟くと、

最後は未来に希望を繋ぐ栄光に満ちた共和国のテーマでフィニッシュ。

 

熱すぎる・・・。

 

 

さて、本編のエンド・クレジットですが、

英雄たちの戦いが終わると、王座の間をまるっと割愛します。

エンド・クレジット後半のスターウォーズ・メインテーマに直接接続。

そしておしまい。

あっさり。

 

まぁ、我々御大を敬愛するものは、

何だったら真っ暗画面で音楽だけ長々と流してもらっても全く構わないわけですが、

普通の観客はそんなに暇じゃないですからね。

これは仕方がないことで、サントラでだけでもじっくり聴かせてくれた御大に

感謝です。

 

 

ボーナストラック

16.英雄たちの戦い(セリフ入りバージョン)

 

これはまぁ、文字通り英雄たちの戦いのセリフ入りバージョンですね。

うん、まぁ、要らないかな。

個人の感想です。

 

 

 

以上です!

6作書ききった!

 

次のフォースの覚醒は流石に新着ライトモチーフが多すぎて書きごたえありすぎるので、

しばらくしばらくお待ち下さい。