水泳部監督の山川です。
冬の大会シーズンに入り、ようやく試合勘を取り戻してきたように思います。
さて、ちょっと前ですが、1月14日はFPの練習時間を使って、水中ドルフィンキックの分析を行いました。
水中ドルフィンキックの分析は、筑波大コーチ時代に選手のパフォーマンス分析の一環として行ってきましたが、ニチジョで行うのは今回が初めてです。
昨年に工学院大学の伊藤先生から水中カメラを寄贈していただいたので、今回は3台の水中カメラを使って壁蹴りから12.5m通過までのパフォーマンスを分析しました。
これらが使用した実験機材です。
続いて、今回の分析結果から見えてきた事について簡単に解説しようと思います。
①8m付近で行っている水中ドルフィンキック中の平均泳速度とキック頻度には有意な相関関係が確認できました(下図)。
つまり、キック頻度が高い(素早くキックを打てる)人ほど水中ドルフィンキックの速度が高かったと言えます。研究的には新しい発見ではありませんが、水中ドルフィンキックの速度を高めたい人はまずはキック頻度を高めてください。また、中にはキック頻度が高いのに泳速度が遅い人もいました。この人たちは効率の悪い動作をしている可能性があるので、キックの動作全体を見直す必要があると考えられます。
②8m付近で行っている水中ドルフィンキック中の平均泳速度と壁蹴り直後の速度の間に関係性を認められませんでした(下図)。
つまり、壁を蹴った時の速さと8m付近の水中ドルフィンキック中の速さは別々に考えても良いということです。競泳はタイムを競う競技なので、どちらも改善する必要があります。日女の選手は、どちらかというと初速度が遅い人が多い印象なので壁蹴りの動作を改善したほうが良いかなと思っています。
③けのび後の最初のキック開始時に大きく減速する選手が多い。
下の写真は最初のキック開始時の写真です。体の幅を大きく超える選手ほど減速が大きい様子が観察されました。角田コーチ曰く、水中ドルフィンキック中のけり幅は体の幅の2倍ぐらいには収めたほうが良いということなので参考にしてみてください。
以上です。
ちょっと難しい内容かもしれませんね。
ただ、少しでもスポーツ科学に興味を持ってもらえると体育大の教員としては嬉しく思います。
高校生の皆さん、ぜひ体育大学もご検討ください!笑