ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
日本女子体育大学水泳部の部長兼コーチを務めております、兵頭 洋樹(ひょうどう ひろき)と申します。
今回が、私にとって初めてのブログ投稿となります。
まずは、簡単に自己紹介をさせていただきます。
【誕生日】1990年8月30日
【出身地】高知県(海とカツオと坂本龍馬の町です)
【現役時代のS1】自由形とバタフライ(どちらも短距離専門でした)
【戦歴】日本選手権入賞、日本記録更新(短水路リレー)など
【座右の銘】「意志あるところに道は開ける」
■ 水泳との出会いとこれまで
部員の皆さんも、私の水泳人生についてはあまりご存じないかと思いますので、少しだけ昔話をさせてください。
私が水泳を始めたのは、小学生のころ。
そのきっかけは……スイミングスクールで販売されていた「セブンティーンアイス」でした。
「水泳を極めたい!」ではなく、「今日はチョコミントにしようかな……」というところからのスタートです。
川遊びから始まった水との付き合いは、やがて本格的な練習へと変わり、気づけば表彰台を目指す日々に。0.01秒を争う厳しい世界では、喜びも涙もセットでついてきました。
現役を引退した後は、教える側としてプールに戻ってきました。
これまで、多くの方々から教えていただいたことを、今は選手の皆さんに少しでも還元できればという思いで、日々プールサイドに立っています。
■ トレーニングは「思考の時間」
「コーチ、練習って、たくさん泳げば速くなりますか?」
こんな質問を受けることがあります。
その答えは、「いいえ、泳ぐだけではもったいない」です。
私が大切にしているのは、「なぜこの練習をするのか?」を常に考える姿勢です。
たとえば、ひとつのドリルをするときにも、「どの筋を使っているのか?」「この動きはどう推進力につながるのか?」といった問いを持ってほしいと思います。
ただ泳ぐだけの練習は、言うなれば「味のないガム」みたいなものです。
そこに“考える”というスパイスを加えることで、練習はより噛みごたえのある(?)時間になります。
プールサイドでは、よく「この動き、なんか変な感じしません?」と、選手と一緒に感覚を共有しながら進めることもあります。
練習が“謎解き”のように思えてくると、選手の目の色が変わります。
もちろん、「いや、これはもう全然わかりません!」と笑いながら言われることもありますが、それもまた水泳の奥深さだと感じています。
指導者である私にとっても、日々が勉強です。
■ 「強い選手」とは?
私は、選手たちに「強い選手なってほしい」とお伝えしています。
ですが、ここでいう「強さ」とは、単にタイムが速いとか、筋力があるとか、そういった数字や記録のことだけではありません。
私が思う“本当の強さ”とは、「強くあろうとし続ける姿勢」のことです。
調子が良い日もあれば、なぜか水がやたら重たく感じる日もあります。
フォームが崩れてうまくいかない日、頑張っても結果が出ない日……
中には「今日はもう、水と会話できそうにありません」という日だってあるかもしれません(私にもありました…)。
それでも、「もう一度、やってみよう」と思える気持ち。
負けても、悔しくても、涙が出ても、それでもまた前を向いて「次」を目指せること。
それこそが、私の考える“強さ”です。
強い選手は、いつも完璧でいるわけではありません。
いつも“強くあろう”と努力しているからこそ、その姿勢が自然とまわりにも伝わり、結果にもつながっていくと思っています。
■ 大学水泳の醍醐味
水泳は「個人競技」と言われることが多い競技です。
スタート台に立つのも、自分。
泳ぐのも、タイムを出すのも、自分。
確かにその通りですが、私は少し違う視点も持っています。
たとえば、隣のレーンで全力で泳ぐ仲間の存在。
ちょっとフォームが崩れていたら、さりげなく指摘してくれる先輩。
レース後に笑顔で迎えてくれる同期や、応援してくれる家族やコーチ。
そして、ときに背中を追いかけるライバルの存在。
こうした「人とのつながり」が、選手の背中を押してくれる。
それが大学水泳の、そしてチームスポーツとしての水泳の醍醐味だと感じています。
水泳は、“個人競技に見える団体競技”です。
ひとりで頑張っているようで、実はいつも誰かがそばにいる。
だからこそ、苦しいときにも「あとひと伸び」できるのだと思います。
チームで戦うからこそ得られる感動があります。
■ 最後に
このブログでは、学生たちが主体となって、日々の練習のことや、水泳にまつわる話題、時には「え、そんな話まで!?」という笑える小話まで、幅広く発信していきます。
水泳の奥深さや魅力、そして日本女子体育大学水泳部のあたたかさとエネルギーを、少しでもお伝えできればと思っております。
そして、時々で構いませんので、ふらりとブログをのぞきに来ていただけたら嬉しく思います。
(読み終えた頃に、ちょっと泳ぎたくなっていたら……それはもう、水泳部の思うツボです。)
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
本日から3週に渡り、コーチ紹介をさせていただきます。毎週日曜日に上がる予定なので、是非ご覧いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。