【保護情報と訃報】スズメ・メジロ・カルガモの雛鳥 | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは。JWCの佐草です。

 

この7月から8月の間、保護やお問い合わせが急増し、中々ご報告が追い付かず申し訳ございません。

本日は、頑張ってくれていたものの残念ながら亡くなってしまった子達のご報告をさせていただきます。

 

この活動報告をご覧いただいている方は動物がお好きな方が多く、中にはこうしたお知らせは辛いという方もいらっしゃるかとは思うのですが、「頑張っていた子達がいた」という証を残してあげたいと思っています。

 

絶対読まなければいけないというものでもありません。

お辛い時は無理をせず、お心に余裕のある方のみお付き合いいただけますと幸いです。

 

 

 

メジロの巣内雛

メジロは道路に落ちていたところを見付け、周りに巣も見当たらなかったということで7月8日(火)に保護されてきました。

餌も食べ、頑張ってくれていたのですが、残念ながら7月10日(木)に亡くなってしまいました。

保護されてきてから二日間、よく頑張ってくれたと思います。

 

 

 

スズメの裸雛

7月22日(月)、スズメの裸雛が保護されてきました。この子は道路に落ちていたらしく、巣がありそうな場所は他の方のご自宅だったということから戻すに戻せない、ということでこの子も当団体で受け入れました。

2日ほどはその方がお世話をしてくださっていて、餌も一生懸命食べていたということで、こちらへ到着した時は鳴き声も僅かに上げ、餌も食べて糞も何とかしてくれていましたが、移動したことでかなり体力を消耗してしまったのか段々と元気がなくなり、到着後数時間して残念ながら息を引き取りました。

 

 

卵から孵化したカルガモのヒナ

8月6日(水)、一羽のカルガモのヒナが保護されてきました。

とある中学校の校長先生が、屋上のプールサイドにひとつだけ落ちている卵を発見し、最初はいたずらかと思ったものの、念の為温めていただら孵化したとのことです。

 

それからしばらくご自宅でお世話をしてくださっていましたが、より広い場所でリハビリができればと、当センターへ連れて来ていただきました。

 

 

体の状態を確認したところ、概ね問題なく成長しているようでしたが、羽の撥水性が弱いことが気がかりでした。

また、早成性のカルガモは親のすり込みが強い為、保護された方の姿が見えなくなると必死に鳴いて、なかなか落ち着かない様子があり、極度のストレスがかかっていることが懸念されました。

ちょうどその頃、同じくらいのカルガモのヒナが2羽いた為、せめて気が紛れればと同じケージで様子を見てみたところ、初めの頃はいじめられていましたが、次第に身を寄せ合うようになりました。

 

 

 

羽繕いもし、餌もしっかり食べてくれてはいた為、このまま無事に成長してくれることを願っていましたが、こちらへ移送されてきて4日後の8月10日(日)、残念ながら亡くなりました。

 

要因としてはやはり保護された方と離れたストレスや、当初から気にしていた体の油分の少なさ、卵から孵化してから人工哺育だったことによる成長不良など、様々なことが考えられます。

それでも、何かもっとできることがあったのではないかと、気にかけるべきことがあったのではないかと、悔しく思う一件でした。

 

 

 

立て続けに悲しいお知らせとなってしまいましたが、みんな最期までよく頑張ってくれたと思います。

目の前の子を救いたい、元の場所へ帰してあげたいと思う一方で、どうしても救うことができない命も多くあります。

そんな時、自分の選択が果たして正しかったのか、もっと手立てがあったのではないか、迷ったもう片方の選択をしていれば命を繋ぐことができたのではないか、そんな考えが尽きません。

 

いくら最善をと常に思って行動していても、まだまだ足りないと痛感する日々です。

 

私達が人間である限り、救える命に限りはありますが、それでも、だからこそ、救える命が少しでも増えるように、人為的な事故で傷付く子を減らせるように、日々研鑽し活動を続けて参りたいと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

※JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。

一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力いただけますと幸いです。

 

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