【クラファン挑戦中】救えなかった命 ep.2 ムササビの『ムサシ』 | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

 救えなかった命 ep.2 ムササビの『ムサシ』

 

 

「あの時、もしICUがあったなら……」

 

このシリーズでは、ケージ型酸素室『ICU』の導入に向け現在挑戦しているクラウドファンディングに伴い、これまでたくさんの傷病野生鳥獣を保護する中で、私達が救うことの叶わなかった『彼ら』のことを少しお話させていただければと思います。

 

中には、読んでいてお辛くなる方もいるかもしれません。

しかし、救うことは叶わなかったけれど、懸命に生き、闘った姿をぜひ覚えていただければと思います。

 

そして、だからこそ私達がどれだけこのICUを切望しているのかを、少しでもご共感いただけますと幸いです。

 

[クラファン応援はこちらから]

 

 

2022年8月20日、JWCへ一件の問い合わせが入りました。

「業務中、大学の敷地内で道路でのた打ち回っているムササビを見つけた」

造園会社の方からのご連絡で、大学の伐採作業をしている最中、道路の上で何かが転がっているのを見付け、近付いてみたらムササビだったとのことでした。

 

※発見者からの提供動画のスクリーンショット

 

ムササビは基本的に夜行性な為、日中に姿を見せることはありません。

発見者の方も実際に衝突を目撃したわけではない為、お伺いする中での状況からの推察にはなりますが、木の伐採作業などで驚いて巣穴から飛び出したところ、窓ガラスか車に衝突し、脳震盪を起こしてしまったのではないかと思われます。

 

すぐに治療を開始しなければいけない状況ではありましたが、場所の問題ですぐの搬送が難しく、センターに到着したのは発見から8時間ほど経過したからとなってしまいました。

 

搬送後、すぐに状態を確認しましたが、動画でいただいていた時より容態が悪化しており、眼振と全身の硬直と痙攣、開口呼吸が見られ、非常に危険な状態でした。

 

 

 

すぐさま酸素吸入を開始し処置を行いましたが、次の日の早朝、残念ながら息を引き取りました。

 

この時も、小さな酸素ケースの中に入れてなるべく酸素が回るようにと試行錯誤しましたが、当時所持していた酸素発生機は酸素濃度が低いものだった為、十分に酸素吸入ができていなかった可能性もあります。

あの時の『最善』は尽くしていたと思います。

しかし、もし『ICU』があればこの子、『ムサシ』は今も生きていたかもしれない。

苦しそうにギュッとタオルケットを握りこむ姿は、今でも鮮明に覚えています。

 

亡くなってしまった命は、もう戻りません。

過去に戻ることもできません。

 

だから、これからの命を救う為に。

 

どうか、皆様のご支援・ご助力をいただけますと幸いです。

 

 

メラメラクラファン挑戦中メラメラ

【資金使途】ケージ型酸素室ICUの購入と設置に伴う電気工事費用 

【募集期間】10月15日(火)12:00~12月13日(金) 

【目標金額】300万円 

【ご支援はこちらから】

 

※目標額到達とならなければ全額ご返金となります 

 

〈応援は #JWCクラファン で!〉