【訃報】右目に傷があったアオバズク | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんにちは。

室中です。

 

今回は、残念なご報告があります。

2021年8月9日に保護されてきたアオバズクが昨年の12月に亡くなりました。



この子は、保護当初、まだ幼鳥で右目に傷がある状態でした。

8月9日から毎日、点眼を続けて目の回復を促しつつ、成長期であるこの子の、体重を増加させる為に栄養を考えた給餌を行っていました。


ある日、片足を度々上げるような仕草を見かけました。その日から、徐々に片足を気にする様子が増え、止まり木に止まらず、床にいることが多くなりました。それを見て、止まり木にタオルを巻いてみたり、日光浴をさせてみたり、餌の量を調整して大幅な体重の増加を防ぎ、足への負担を少なくするなど、試行錯誤しました。

しかし、なかなか改善する様子がなかった、病院に連れて行き、診察を行いましたが、特にレントゲン上でも問題はなく、ひとまず感染を防ぐ為に抗生剤を処方してもらいました。


実は、自然界のアオバズクは昆虫食で、主にスズメガなどの蛾やコフキコガネのような大型の昆虫類を食べます。日本のこの季節では、そういった本来の餌を飼育下ではなかなか十分に用意してあげることができない為、栄養バランスを整えるのは非常に困難でした。

それでもできる限り慎重に給餌を行い、飲水の補助や保温などできることは全て行い、猛禽類を専門とする先生からのお話も聞きましたが、やはり、状態は一向に改善せず、段々とうずくまる姿が増え、瞼も半分ほど下がっている状態が数日間続きました。


そして、ついに立てなくなり、静かに息を引き取りました。

 

約半年間、毎日、目薬をささせてくれて、薬もきちんと飲んでくれて本当に偉い子でした。

目の怪我が少しずつ治ってきて、後は、体重を維持して一緒に春を待とうとしていた時に、残念な結果になってしまって本当にやるせない気持ちです。

毎日、何が最善かを考え、尽くしたつもりでしたが、力が及びませんでした。 


今回、一番、考えられる死因としては、狭い空間にいたことでのストレスによるもの、というところです。ただ、広い空間にいさせてあげた場合の衝突事故のリスクを考えると、どちらの方が良かったのか、というのも何とも言えません。

私達の選択ひとつで彼らの命を左右してしまう為、『常に最善を』と考え治療にあたってはいるものの、やはりこういう時は自分たちの何が悪かったのだろう、あの時こうしていれば何か違ったんじゃないか、と考えずにはいられません。ですが、今回のことで得られたことは確かにあります。それを無駄としないよう、そして、あの子に報いることができるよう、これからも研鑽を積んでいき、次こそは無事、リリースへと繋げられるようにしたいです。

 

ご遺体は、さとやま保護センターに埋葬しました。



本当に、よく頑張ったね。

生まれ変わったら、元気にのびのびと幸せに暮らして、天寿を全うして欲しいです。

 

最後まで、お読みいただきありがとうございます。





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