【訃報】コゲラの雛 | JWC NEWS

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JWC(NPO法人ジャパンワイルドライフセンター)は、
野生動物の保護を目的として
1990年に設立した野生動物保護団体です。

皆さんこんばんは。

管理人の佐草です。

 

 

 今日は残念なお知らせです。昨日保護されてきたコゲラの雛ですが、今日の未明に息を引き取りました。

外傷はありませんでしたが、保護された当初の状況を詳しく聞いたところ、ベランダで発見し、見つけた時には雨で身体が濡れていたとのことでした。

 さとやま保護センターに来た時、確かに身体が冷え切っていて、私の手の温度の方が高い程でした。恐らく低体温症になっていたと思われます。餌もまだ自食できないようでしたので口を開けて食べさせようとしましたが、それもなかなか食べてくれませんでした。動物用ヒーターで身体を温めながら様子を見ていましたが、明け方、日の出とともに天国へ旅立ってしまいました。

 

 彼ら野生動物は最後まで人に弱さを見せない為、一見外傷がなく、衰弱していないように見えても、「人に保護される」という時点でかなり限界を迎えていることが多いです。その為、JWCは動物病院と提携しているので治療を行うことはできますが、大半は2~3日が峠となります。「さっきまで元気だったのに」と、悔しく思うことも、少なくありません。

 それでも、その命から目を背けるのではなく、向き合い、「何がいけなかったんだろう」「他にもっとできたことがあったのではないか」と熟考し、その子の命を決して無駄なものにしないよう、次の命に繋げていくのが私達の活動です。今回のコゲラの雛も、その小さい身体で最後の最後まで必死に呼吸し、懸命に生きようとしていました。その命に敬意を払い、私達は今後の活動で『この子の命が決して無駄ではなかった』と証明していかなければなりません。

 でもまずは、「お疲れ様。頑張ったね。」と、言ってあげたいと思います。

 

 

閲覧頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

    次は、嵐の中で迷子になっちゃダメだよ。今度産まれて来た時には、真っ青な青空を見れるといいね。