3月24日未明、JWCマサイマラリサーチキャンプ・コイヤキに密猟者が象牙を盗ったという情報が入りました。
早朝5:00に出発し、モルジョイという現場に向かいました。1時間後、現場に到着すると、既にKWS(ケニア・ワイルドライフ・サービス 国の機関)のレンジャー達が集っており、象牙の密猟のために殺されたゾウが横たわっていました。
目を背けたくなる光景でしたが、これが密猟の現実なのです。調査の結果、密猟者は毒矢を使ってゾウを襲ったとされ、象牙を盗るため、頭部から鼻を切り取りって、牙を抜き取ったようです。犯人達は、犯行時、他の車がやって来るのを見て象牙1本だけを抜き取って逃走しました。
その後もう1本の象牙が密売目的で盗まれることのないよう、KWS のレンジャーにより回収されました。このゾウは出産暦もない若いメスで、象牙もまだそれ程大きいとは言えません。ゾウの寿命は人間と同じほどですが、このゾウは人間の手によって未来を奪われたのです。密猟の現場を目の当たりにし、本当に心が痛くなりました。
その後、しばらく待機していると、KWSのレンジャー達が容疑者達を連れてきました。残念ながら、証拠物品の象牙は現時点では見つかっていません。2日後に再度KWSのレンジャー達が現場付近を調査する事になりました。
レンジャーの話では象牙は現在でも約100万円ほどで売買されているそうです。未だにこの様な象牙の密猟があるのは、需要があるからに他なりません。象牙を使う日本人にも、深く関係している問題であることを痛感させられました。
【写真】
上:鼻が頭部から切り取られています。
下:捕まった容疑者達。

