『サイゴンの火焔樹―もうひとつのベトナム戦争』 牧 久著 ウェッジ刊
サイゴンの火焔樹―もうひとつのベトナム戦争/牧 久

¥2,520
Amazon.co.jp
ベトナム戦争が終結直前の、1975年3月から日本経済新聞の特派員としてサイゴン(現ホーチミン市)に駐在した著者による、終戦から南北ベトナム統一直後までのレポート及び、サイゴンでの著者で助手であったことからボートピープルとならざるを得なかったトアン氏と、太平洋戦争終結からべトナムに残り、東京銀行で勤務をしながらべトナム解放戦線に参加していた落合氏のその後の人生をレポートしている。
南ベトナム軍の補給地として、南ベトナム軍や米軍を支え、実体経済以上の一大消費都市として発展したサイゴンを、貧しい北べトナムが併合することによって、資本主義経済の恩恵を受けていたサイゴン市民に混乱が巻き起こる。
又当時の中ソ対立、国連加盟における米国との対立の問題から、北ベトナム政府は、南べトナム解放戦線指導部を排除し急激に共産化を推し進める、その結果サイゴン市民の北ベトナム政府への不信感は非常に強いものとなり多くのベトナム難民を生むことになる。このような当時の情勢が詳しくレポートされている。
当時帝国主義に対する民衆の勝利と世界でもてはやされた南北べトナム統一の負の部分と、現在でも根強くのこるホーチミン市民のハノイへの不信感、嫌悪感を理解するために非常に役立つ書籍である。
※ベトナム戦争は米仏の傀儡であるベトナム民主共和国(南ベトナム政府)と民族自決を求める南べトナム民族解放戦線との南ベトナム国内での内戦という図式から始まっている
(以上がメルマガに書いたレビュー)
サイゴン陥落前のルポは近藤紘一の『サイゴンの一番長い日』という名著がありますが、こちらはサイゴン陥落後の南北統一までが中心となっています。
極端な例ですが、経済的には北朝鮮がソウルを併合するようなものなので、当時の混乱は推してはかるべしです。報道されないだけかもしれませんが共産ベトナムの指導層はそれほど私利私欲を優先させたような人はいないようですが、急激な社会の変革で不幸になるひとは結局切り捨てていったということになるので、イデオロギーというのは結局は人を幸福にするものではないのだなあと思いました。
経済開放後の現在ホーチミン市はサイゴン時代以上に反映しつつあるというのも皮肉な結果だと思います。
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ベトナム戦争が終結直前の、1975年3月から日本経済新聞の特派員としてサイゴン(現ホーチミン市)に駐在した著者による、終戦から南北ベトナム統一直後までのレポート及び、サイゴンでの著者で助手であったことからボートピープルとならざるを得なかったトアン氏と、太平洋戦争終結からべトナムに残り、東京銀行で勤務をしながらべトナム解放戦線に参加していた落合氏のその後の人生をレポートしている。
南ベトナム軍の補給地として、南ベトナム軍や米軍を支え、実体経済以上の一大消費都市として発展したサイゴンを、貧しい北べトナムが併合することによって、資本主義経済の恩恵を受けていたサイゴン市民に混乱が巻き起こる。
又当時の中ソ対立、国連加盟における米国との対立の問題から、北ベトナム政府は、南べトナム解放戦線指導部を排除し急激に共産化を推し進める、その結果サイゴン市民の北ベトナム政府への不信感は非常に強いものとなり多くのベトナム難民を生むことになる。このような当時の情勢が詳しくレポートされている。
当時帝国主義に対する民衆の勝利と世界でもてはやされた南北べトナム統一の負の部分と、現在でも根強くのこるホーチミン市民のハノイへの不信感、嫌悪感を理解するために非常に役立つ書籍である。
※ベトナム戦争は米仏の傀儡であるベトナム民主共和国(南ベトナム政府)と民族自決を求める南べトナム民族解放戦線との南ベトナム国内での内戦という図式から始まっている
(以上がメルマガに書いたレビュー)
サイゴン陥落前のルポは近藤紘一の『サイゴンの一番長い日』という名著がありますが、こちらはサイゴン陥落後の南北統一までが中心となっています。
極端な例ですが、経済的には北朝鮮がソウルを併合するようなものなので、当時の混乱は推してはかるべしです。報道されないだけかもしれませんが共産ベトナムの指導層はそれほど私利私欲を優先させたような人はいないようですが、急激な社会の変革で不幸になるひとは結局切り捨てていったということになるので、イデオロギーというのは結局は人を幸福にするものではないのだなあと思いました。
経済開放後の現在ホーチミン市はサイゴン時代以上に反映しつつあるというのも皮肉な結果だと思います。