天地明察/冲方 丁

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数日前、
「天地明察」(冲方丁 著)
を読み終えた。

ちょうど読んでるときに映画のキャストの発表があってちょっと複雑な気分やったけど。
最近は映画化されるものが多いなぁ。
文庫化待ちきれずハードカバーのを買いましたけども、映画公開前に文庫化されるんちゃうんか、と思ってしまった…

ここ数年、異常気象と言われてるけども、
それぞれの節気がすぎるとそれなりに空気が変わっていくのだもん、
日本の暦はやはり、日本の気候風土に合ってるもんなんやなぁ、と
太陰暦に興味を持ち始めたときに、ちょうど、その太陰暦を作った人に焦点をあてたこの本があった。

読み終わってみて、思ったのはー

何も考えず、ストーリーを純粋に追えばおもしろかった。

暦作りから、改暦ということは簡単なことではないだろう、くらいにしか思えなかったものが、
ほんとに並々ならぬ努力の結果なのだということを知ることができる話でした。
暦(しかも改暦)というと、難しい内容になりがちな題材やと思うんやけど、
読みやすいタッチで描かれてるから、面白いとは思ったんだよん。
歴史小説に慣れてない人とかには新鮮な小説なんやろなー…と。


ただなー、歴史小説って、難しいと思う。
時代背景、人物像、当時の文化や風潮とか宗教とか、
いろんなことを踏まえてきっちり背景をつくっとかないと、
専門家でなくても、歴史好きとか、歴史小説を読み慣れてる人だとおかしなところはすぐにばれちゃう。
むしろ、ストーリーうんぬんよりそっちが批判されてしまったりする。
思いっきり「フィクションだからね」と念を押してても、であるよ。
それがね、ちょっと不安定な気がしたのだけれども。
その説明合うてる?みたいな…

それに、最初のほう、まわりくどい感があって…何が言いたいんだ?と。
それでも、先が気になるから頑張って読んだのですが(爆)
まわりくどく感じたのは、主人公の性格や人柄
(というよりもキャラづけという言い方のほうがピッタリか?)
をしっかり浮き彫りにするために感じたんやけど…
それはそれである程度は必要やけどもー、物語を進めながらでもできるのでは?と思いつつ。

そんでも、やっぱり本題に入るまで長いと思う。

私は読み進んでいきながら、内容と残りのページをよく比べるんやけども
(あとどれくらい楽しめるかを確認してしまう)、
内容がまだこのあたりやのに、もうこんなにページ割いてる?
って中盤くらいで思ってしまった。
ていうか、私にとってはまだまだ序盤の話やろー、ってところですでに中盤…
さぁ、いよいよこれからやな、と思っても。残りページは、あとこんだけ?って感じで。
この残りページ数にこの文字のサイズで書ききれてるのん?って…
だいじょぶか?と終わり方に不安を感じたけどもー

案の定、終盤はあっさりと終わってしまった。
一回盛り上がったように見えたところからが早かったねー。
もう少しなんか細かいエピソードを入れてくれてもよかったんじゃないの?
とか思ったりしたし。
私の受け取り方が違うのかなぁ…

せっかくいい題材で面白くできてるのに、もう少し細かく描いてもよかったのではないか、と。
もったいないなぁ…と思ったのでありました。

でも、やっぱり面白かったぞ。
私の注文が多いだけだねー。

今は、かーちゃんに渡したので、
かーちゃんが読み終わったら、もいっかい読もうかな。
ていうか、その前に、かーちゃんがおかしな点に気付くやろなぁ(笑)
というよりも、かーちゃんのほうが厳しいからな…ウフフフフフ( ̄ー ̄)