著者: 夢野 久作
タイトル: ドグラ・マグラ


私ねぇ、なんでこの本と出会ったのかさっぱり覚えてないねん。
たぶん、タイトルのフシギさに惹かれたんやと思うんやけど。
でも、中学、高校と引きこもりちっく(あくまでも「ちっく」)になってるときに出会ったんだな、これが。
ココロが荒んでるっていうか「落ちてる」時期やったの、軽~くね。
京極夏彦の「魍魎の匣」のところでもちらっと書いたような気がしますが、
「あっち側の世界」に行けたらいいのに…と真剣に考えてた時期。
真剣に考えなあかんってことは、行けない人やねんよ、私は(笑)
完全にイッてしまうまで行けない性質なんやろねぇ。
どっかで前向きさが残ってるっていうか。
ノウテンキなんは親ゆずり。でも胃が痛くなって寝れんほど考えることがあるっていうのも親ゆずり。
深刻に考えるんやけど、立ち直りも早い。
ってういうか、もういいやって開き直ってしまうんやもん…

それでも、この頃の「落ちてる」時期は長かった。
高校なんて1、2年は出席日数がギリギリになるまで学校に行かんかったくらいやし。
でも、ちゃんと進学したり、卒業する気はマンマンやったから
時々は登校するというおかしな話…
計算してたしね、出席日数と各教科の単位と。
ようするに、中途半端に「逃げ」ててんやわ、いまから思えば。
今もすこ~し、名残はあるけどね。
そんな感じの多感やった(はず)時期にこんな感じの本ばっか読んでたね。

タイトルからして意味不明のこの作品、
冒頭から?って感じやし、
脳ミソと脳髄って何や?って思ったり、
人の認識って何?、生きるって何?
結局人間ってなんやねんっ…
って…ぐるぐるぐるぐる…まわってたんですゎ。
若かったねぇ、私も。
ラストまで行ったら初めて冒頭部分が理解できて…っていうかつながってしまって永遠にリバースって感じ。
終わらん話やねん。だってイッてしもてる人の話やから、どこが始まりでどこが終わりかなんてないんやと思うし、どこまで現実でどこまでが妄想で…。
おぉぉ、ゾクゾクする…

それでもこの作品をきっかけに作者の夢野久作の作品も探してしまった。
文庫本で作品集が出てた。
ブラックな童話って感じのがお気に入りやってんなぁ。
ふと本棚を見てみると、引っ越しのときの整理、去年の本棚整理の際にも処分品に入らず残ってた。

やっぱり、そっち系の小説も好きなんやわぁ…
と思うけど、元気な状態のときはやっぱり読めへん。
時々読み返そうかなっとも思うねんけど、気が進まへんかったり…
なんで元気のないときはそっち系のばっかり読んでしまうのかフシギ。
そっち系、興味ある方にはおすすめするわ~
(とはいえ、けっこうメジャーやったりするね)