著者: 京極 夏彦
タイトル: 姑獲鳥の夏


「この世には不思議なものなどないのだよ」

という台詞が印象的なこの「京極堂シリーズ」とでも言うのかな、
妖怪名がタイトルにあげられている推理小説の第一作目がこれ。

舞台は戦後まもない日本。
戦争の色をまだ残している中で起こる、一見「不思議」に見える事件。
それに関わってしまう登場人物たちがとっても魅力的なんよねん。
事件はけっこう悲惨なものがあるねんけど、登場人物たちのキャラクターのおかげかなって思うくらい、全体的に暗くなりすぎない作品になってる。
初めて読んだとき、まるで横溝正史のような匂いを感じた。
時代背景とかのせいかもしれんけど、金田一耕助シリーズが大好きな私は
すっかりはまってしまうには数ページ読むだけでじゅうぶんやったわぁ。

タイトルに冠されてるのは全部妖怪の名前
妖怪といえば、ゲゲゲの鬼太郎=水木しげるって感じなんだけど、
どうも、京極夏彦氏も妖怪が大好きだったりするんやね~
でも、作品の妖怪の関わり方っていうのは、
姿形がそのまま出てくるんでなくって、事件に関わってくるんやけど、
ちゃんと由来や歴史、伝聞などといったものがきちんと作品内で説明がなされてるところがすごい。
普通、知らないっすよ、そんなにくわしく…
で、それに加えて、歴史を始め、神話、文学、宗教や科学などなど、いろんな物事をとんでもなく幅広い分野に渡って考えることになってしまう。
よく考えたらすごい作品やなぁ。

これが、今年、2005年夏に映画として公開されるねん!
ファンとしては、待ちに待ったというべきかなぁ。
映画化してくれたらいいなぁって思っててん、ほんまに。
どうなるかはわからへんねんけど、
まずはうれしいので、また読み直してしもた。

何回読んでも、おもしろさは変わらない。
でも難しさもめんどくささもちっとも解消されない…
それでも時間を忘れて読んでしまうねんなぁ。

私なんぞは、寝るのも忘れます…