アトム | 「私は区画整理地のまっただ中で笑うんだ♪」

「私は区画整理地のまっただ中で笑うんだ♪」

藤島住宅 岩原 賢太郎 の 営業日記

昭和51年11月10日総理府令第58号および、平成10年環境庁告示第64号第1の1に基づく、多機能性舗装が施されているとされる埼玉県道1号線、通称第二産業道路に面す我が藤島住宅の分譲住宅【ナテュールヴィーレ鳩ケ谷(第57期鳩ケ谷)】

 

小中学校がとても近く、毎日の生活の風景の中にその児童・生徒たちの成長が映し出されているような密接な位置関係が特長だ。

南北線直通の埼玉高速鉄道【鳩ケ谷駅】も徒歩11分と好立地である。

 

そんな当分譲地もいよいよ最終1棟の販売となった日曜日の現地販売会。

かの第二産業道路をはさんだ向かいに在る牛丼チェーン店数日本一の【すき家】。

通常、現地販売会で待機する場合、我々営業職は弁当を買って現地で食べる。

いつ御客様が来場されても接客できるように、だ。

しかし今回の場合、いわゆるファストフード店が目の前に在る。

店内でサッと食べてしまう方が合理的だ。

迷う間も惜しんで私はお店へ足を向けていた。

 

風除室の手動扉を開け、自動ドアをくぐり抜ける。

そのまままっすぐカウンター席に座り、素早くメニューを開きかねてから決めていた【牛丼サラダセット】を【たまごセット】と一瞬迷いながらも遅滞なく注文する。

 

「牛丼サラダセット並でございますね」と店員さんが私に確認する。

(そうか、並じゃないものもあるのか。大盛とか特盛なら無用にござる。しかし・・)

 

「あの、もしかして豚丼バージョンもありますか?」

 

「ありますよ。」と店員さん。

 

「値段は一緒ですか?」と経済事情を露呈する私。

 

「一緒ですよ」と店員さん。

 

「じゃ、豚丼で。すみませんねぇ。」面倒をかけて恐縮する私。

 

「あ、すみません。30円高いです、豚丼の方が。」とメニューを確認した店員さん。

 

「じゃ、牛丼で。なんだか申し訳ないです。」と照れ笑いを浮かべながら更に恐縮する私。

 

「いえ、昼飯は抑えなきゃ。で、夜たくさん使う。」と

ここにきて店員さんがハートフルに歩み寄ってきた。

 

オートメーション化が進む現代社会において、飲食店やコンビニなどのチェーンストアの店員さんの素っ気なさに未だ違和感をぬぐいきれない昭和世代の私にとって、この店員さんのひと言に私は心が潤った気がした。

機械にはできない仕事がそこにはあった。

その後で出てきた牛丼サラダセットはほとんど機械によって作られた食べ物と言って良いのだろう。

しかし私はたとえファストフードという合理的な食事行為だったとしても、人と人とが接する以上、そこに僅かなふれあいのようなものが存在することに、大いに希望を抱くのであった。

閉じこもりがちな性格所以のことなのかも知れない。

 

藤島住宅 岩原 賢太郎