1月公演でご一緒する作曲家・ピアニストの大南匠さんとは、たくさんの作品で組んだが、そのなかで今度の公演に接する感があるものをいくつか紹介しておきたい。掲載は数回に分けるが、きょうはまず初期のものから、、、。
のちにポルトガルに招聘された作品『TABLA RASA』は、もとは『真空断層』という二部構成の作品の後半部分だったのが発展して独立した作品になった。この『真空断層』に影響を与えているのが表記の2作『虚体ソナタNo.1』(東京・セッションハウス、プリペアードピアノとダンスと美術インスタレーション)と『真空律』(ドイツ・シュツットガルトオイリュメウム、声とダンス)で、いづれも僕の天使館時代から独立初期における大事な作品である。
「真空」とか「ソナタ」とか「虚体」とかいう題名のための言葉の作り方も若干そうなのだろうけれど、これらはどこか形式的なものや西欧的な考えと対峙しながら作られていて、自分なりにいろんなカタチに対する疑問や矛盾や葛藤が含まれていた。
生々しい身体が観念的なものにケンカを売るような感じも少しあった。長くシュタイナー思想や神秘学を勉強していた割にまだよく分かっていなかった頃なので、そこから逸脱して自分らしい何かを構築したいという気持ちもあったのだと思う。
このなかで大南さんには『虚体ソナタNo.1』の作曲と演奏を依頼した。
内部奏法が多用されたが全く自然で個人的に非常に好きな音楽だったから今も良く頭の中で、鳴る。
この作品はタイトルにNo.1とあるように複数連作の予定だったのだが、予想外に完結性が感じられたので、No.2はいまだに作っていない。上は当時の舞台写真である。
★NEXT PERFORMANCE ★
2026年1/11(日)
大南匠(Pf,Org)×櫻井郁也(Dance)デュオ公演
「ひびきをめぐる---- 音と身体のための〈連 句 雑 俎〉 頌』
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