基礎オープンクラスの補講をした。先月の大きな台風のせいで休んだ日のかわりだった。28日。普段とちがう平日の夜だった。

ヨガアサナで気持ちの切り替えをしたあと、深い呼吸をするための練習、そして、胸郭を拡げ、肩や背筋をゆるめてゆく。そのあと腰まわりと太腿をしっかり使うエクササイズへと進めた。深めの股関節ストレッチ。バレエウォーク。そしてクロスフロアへ。

さらに参加者の希望でフリーダンスの時間をとった。シンプルに手拍子だけでリズムを提示し、それを聴きながら踊ってもらった踊りが、ことのほか一人一人の個性が自然に出た。良かった。

呼吸と心理は肉体のコンディションや動きを大きく左右する。息を合わせてという言葉にもあるように、踊ることは呼吸と心の状態を整えることに深く関わっていると僕は思う。

 

忙しさや気にしていることから一時はなれて、静かになり、そして音楽や表現や運動をたのしみ自らの身体に集中してゆく。そのような時間を積み重ねることが次第にダンスの基礎をかたちづくってゆくと僕は考えてきた。ダンスの基礎というのは思ったことが素直に体の動きや顔の表情に出てくるということだ。こわばっていない状態だ。

踊れる身体は心と体がばらばらになっていない。本来の姿に、つまり自然に近い。僕らが日常と呼ぶ様々な制約のなかで、身体は不自然な状態に押し込められているかもしれない。

夜の落ち着いた練習のなかで、あらためてそのことを思った。

休憩のとき、イサドラ・ダンカンのことを少しだけ話した。現代ダンスの母。バレエの所作にこだわらず、自分の身体を解放して、思いのまま自然のままに踊った。自然な身体こそが美しい。しかし悲しいかな人間にとっての自然とはどんな姿なのか、探求しなければここに戻っては来ない。自由に自然に踊る。それは伝統や既成の文化への挑戦でもあった。いまおもえば実に合理的な精神だが、当時は前衛ととられた。伝説になったが、近年いつしかダンスはまた色々な形式だとかジャンルとかいうものに区分けされている。(このことはまた、、、)

 

このクラスは毎週土曜日は、15時から17時。

週末の午後、あちこち凝っているところをほぐし、全身を活性化するようなレッスンにしたいと思う。

 

 

※初心者から、いつでもご参加ください。詳細は下記のリンクより。


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▶クラスの種類や内容、参加方法など


stage 櫻井郁也/十字舎房:ダンス公演情報