ステージに入る直前、ふっと別の次元に足を踏み入れたような錯覚を得ることがある。不安というのとはまるで違うし、ゾクゾクするというのも違う。堅苦しい単語だが「身体感覚」というのが変わるというのか。
あれは何なのだろうか。近い体験をしたことがあるかと言えばなかなか無い。あえて探せば深い森に入っていったときがちょっと似ていたかもしれない。写真は、そういうことを最初に感じ始めた頃のもので、かなり前、2006年だった。
ここから先は知らない所なのだという、そういう感覚が舞台という場所にはあるように思う。いろいろな人が集中して力を出してゆく繰り返しが何年も何年も続く間に、ただの空間ではなく特別な磁気が宿ってゆくのだろうか。そんな気がしてならない。
舞台というのは、肉眼で見ているものと心の眼が見ているものが重なり合うところなのかもしれない。だから、じっさい次元と次元の境目のようなものなのかもしれない。本当に体験しても体験しても未知の方向にひろがってゆく。

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