舞場の床で、いつも感じるのが、地の呼吸です。
その呼吸のなかに身をおくとき、ふと声をきくような思いがめぐることがあります。
地の声でしょうか。

原爆忌の夜に、長崎で踊ったときにも、近い感覚におそわれました。
沢山の方が逝かれた小学校の運動場でした。
踵を刺す地熱が祖先の声のように感じ、からだの芯に染みました。

地を踏むからだに積もりゆくもの、
地を踏むからだから去ってゆくもの、
それらすべてを静かに堆積してゆく、地の呼吸。

思えば、生は着地の連続です。
着地するたび、地の呼吸に触れる。
着地するたび、地の呼吸に触れながら、無量の何かが身を揺すります。

忘却さえも記憶する、この星の長い長い記憶。
その堆積の上に、私という存在が息を紡いで、ある。
その堆積の上に、息吹く今と、このからだと、、、。

立つこと。地に触れること。あらためてそこから。
という思いがあります。



3年前の秋に上演した「Landing on the lost』という作品があって、
そのときに書いたテキストの一部です。



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過去作の文章text/statements

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新作公演
櫻井郁也ダンスソロ:『白鳥』9/29.Sat.~30. Sun. 2018
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