やはりあの「カッコーの巣の上で」(75年)は凄い映画だった、といまだに思う。

画面に散りばめられた光が、人間の表情を見つめているようにも感じた。

何度も観た。そして、観るたびにじわじわとエネルギーがわいてくるように感じた。そのような映画は多くはなかった。

力強いだけではなくて、根底に悲しみと哀しみが咽んでいるように感じていた。

ミロス・フォアマン監督が亡くなったと知ったとき、フラッシュバックのように、この映画のさまざまなシーンが入り乱れて思い出された。