断片・1/17

文楽の竹本住大夫氏の引退公演となった「菅原伝授手習鑑」その大阪公演（2014）の放送を録画してあるという知人がいて借りて観たのですが、、、

これはえらいものを見てしまったきいてしまった、というか、何かすさまじいエネルギーを浴びたようでした。

つくりだされること、流れ去ってゆくこと、再起し再生してゆくこと、
時、という何かすさまじいものの存在を感じてしまいました。圧倒され、核となる「桜丸切腹ノ段」では、もらい泣きした。桜丸は簑助氏、八重に文雀氏。息を詰めては目を凝らし、ああ、と溜め息が出て、また息をのんだ。得体の知れないその深さに恐れ憧れました。

言葉から意味以前のハダカのことを掘り起こしてゆくようにも感じてしまう。

身体から遠ざかろうとする言葉も沢山あるが、そのさかさまだなあ、これは。
と思うのでした。

音（おん）というやつの震えてる磁場に、色々なタマシイが近寄って一つになり、私たち生きている人の数えきれない生活にごうごうと染み込んでくるみたいだ、と思いました。