大阪大空襲の日のことを、祖母はよく話しました。
亡くなる前には本当に頻繁に話すようになりました。
話をしながら、いつもじっと遠くを睨んでいました。
家族の記憶を少し辿れば、そこに戦争があります。
そのあとに生まれた僕らは、守られて大人になりましたが、
新しい子どもたちはどうか。

きょうは8月15日です。
家族の記憶を話す日でもあると思います。
毎年、子らを前に、受け止め方を、知ろうとする姿勢を、
また、語り継ぐ力を試されているようにも、感じます。
この日をめぐる会話、この日をめぐる思考、この日をめぐる感情の変化が、
僕らの精神の現在を示すようにも思えてきます。