もう一度、
あのダンスを観たい、
あの音楽に浸りたい。
ミュージカル映画「La La Land」、
見終わってすぐに、そう思いました。
かつて語られたセリフと、
かつて語られた物語と、
かつて奏でられた音楽と、
かつて踊られた踊りに、
あえて満ち溢れ、
それゆえに、
セリフでは語らない映画、
物語では語らない映画になっていると思いました。
語っても語っても語れない沢山のことが、
音楽とダンスと笑顔に託され、
僕ら受け手の想像力に
委ねられているように感じました。
そして、
かつての映画のように
フィルムで撮影されたという
この映画にちりばめられた、
無数と言っても過言でない沢山のオマージュからは、過ぎゆく時への惜別と愛おしみが滲み出るようでした。
とりわけ、あれはフレッド・アステアへのオマージュでしょうか、星のなかでのデュエットシーンでは、もう、、、。
終わらないで、もっと、いつまでも、という気持ちが高まるままに、見事なラストカットの一瞬が訪れたのですが、陶酔の余韻からは、なぜか深い悲しみがよぎるのでした。
まるで、
一日一日が終わって二度と戻ってこないことに、ある時ふと気付いてしまったその時のような、しんとした切なさが、波のように押し寄せるのでした。
そして、華やかな夢のあとに訪れる何かの足音さえも、、、。