金曜日の夜はダンスクラスだ。とにかく踊る。もちろん教える。しかし、教える、という言葉より、何か学び合っている、という言葉のほうが正しいかもしれない。そんな実感があるクラスだ。

このクラスでは、時々、僕はピアノを弾く。即興演奏をする。カラダを見つめながら言葉ではなく音で語りかける。もっと激しく、もっと優しく、もっとゆっくり、もっと素早く、、、。
様々な気持ちを託してビアノを弾きながら、心のどこかでデュエットしている。ダンスはいつも何かとのデュエットなのだ。音が鳴る。沈黙が響く。それを聴きながら即興ダンスが始まる。きょうはその日だった。

インプロビゼーションというダンス用語はどこか冷たい。伝わりの練習、身を開く練習。

心を込めて演奏し、見つめ、語る。それを受けて「踊り」としか呼びようのない何かが目の前にふと現れる瞬間が、2時間のレッスンのどこかに必ず、でる。口には出さないが感謝や愛おしさが、僕の心をかき乱す。また弾く。そして語り合う。踊りについて、日々について、命とカタチの戯れについて。

一人一人の、思うがまま感じるがまま。それぞれの今日を解放する。流れがあり、つまづきもあり。そしてまた来週ね、と別れる。

淡々とした繰り返しのなかで、いつしか心や感性や情熱が、カラダからカタチやリズムになって溢れるようになる。踊り、という時間の素晴らしさと稽古という継続に感謝が芽生える時、一人のダンサーが、この世に生まれる、はず。このクラスを続けながら、その日を待っているのかもしれない。

粘り強く、教えたい。粘り強く、待ちたい。
粘り強く、一人一人と、、、。

ささやかな喜びや哀しみのバトンを誰かに渡してゆきたい気持ちが、湧く。


●クラス参加方法・くわしい内容=クラス参加案内
稽古場は、杉並・荻窪駅からバス10分/西荻駅から徒歩圏(善福寺公園教室、西荻ほびっと村教室ほか)くわしくは、お問い合わせ時にご案内。