冬だな、と、今夜は思う。
木々からはらりと足元に舞い落ちる葉っぱの一枚を街灯が照らす。紅から黄色から、肌色へ土の色へと色を還りながらぽとりと落ちる葉っぱの一枚が、なぜか夜道を柔らげてくれる。葉を落として裸になった木は寒気のなかで凛と立っている。
『倚りかからず』という詩にクラスで取り組み始めて数ヶ月たつ。
毎週毎週、繰り返し触れていると、言葉の一葉一葉に段々と愛着が出てくるんだなぁと、今日の稽古を進めながら感じていた。
のんびりと振付けてきた一振り一振りが、自然にカラダに馴染み始めているのかしら、踊りながら何かを思うその思いの微妙な揺れが、一人一人の眼から香る。
眼を見つめる。
眼は魂の窓なんだなぁと、思う。
茨木のり子さんのこの詩を初めて読んだとき僕は30代で、この詩を読みながら少し恥ずかしくなった記憶がある。
「もはや、できあいの思想には倚りかかりたくない」に始まり、「学問にも、「宗教にも、「権威にも、、、
と、そう続くその詩を読みながら、あの頃は、もっと強くならなきゃと思っていた。何だか定まらない自分自身の足元を情けなく思ったのかもしれない。
だけど、今こうしてクラスの人たちと踊りながら改めてゆっくり味わっていると、以前とは違って、とても穏やかで温かい言葉に聴こえてくる。
曲がりなりにも自分の足で歩いているならばそれで良いではないかと、なぜか聴こえる。
もはや、もはや、
と繰り返される「もはや、、、」という言葉の奥のほうに、ある人間の歩いてきた歩みの音が深く静かに響きをたてているように思えて、じっと耳を傾けたくなる。
倚りかかりたくない、と繰り返すその最後に、
「倚りかかるとすれば、それは椅子の背もたれだけ」
と続くその言葉の余韻の中で、座り慣れた一脚の椅子をボンヤリと思い浮かべ、眼を閉じたくなってくる。
73歳の作だという。
この詩に出会えた感謝がある。
(もうしばらく踊りたい、読み続けたい、と思います。クラスの皆さまどうかお付き合いを、、、。)
●クラス参加方法・くわしい内容=クラス参加案内
稽古場は、杉並・荻窪駅からバス10分/西荻駅から徒歩圏(善福寺公園教室、西荻ほびっと村教室ほか)くわしくは、お問い合わせ時にご案内。
木々からはらりと足元に舞い落ちる葉っぱの一枚を街灯が照らす。紅から黄色から、肌色へ土の色へと色を還りながらぽとりと落ちる葉っぱの一枚が、なぜか夜道を柔らげてくれる。葉を落として裸になった木は寒気のなかで凛と立っている。
『倚りかからず』という詩にクラスで取り組み始めて数ヶ月たつ。
毎週毎週、繰り返し触れていると、言葉の一葉一葉に段々と愛着が出てくるんだなぁと、今日の稽古を進めながら感じていた。
のんびりと振付けてきた一振り一振りが、自然にカラダに馴染み始めているのかしら、踊りながら何かを思うその思いの微妙な揺れが、一人一人の眼から香る。
眼を見つめる。
眼は魂の窓なんだなぁと、思う。
茨木のり子さんのこの詩を初めて読んだとき僕は30代で、この詩を読みながら少し恥ずかしくなった記憶がある。
「もはや、できあいの思想には倚りかかりたくない」に始まり、「学問にも、「宗教にも、「権威にも、、、
と、そう続くその詩を読みながら、あの頃は、もっと強くならなきゃと思っていた。何だか定まらない自分自身の足元を情けなく思ったのかもしれない。
だけど、今こうしてクラスの人たちと踊りながら改めてゆっくり味わっていると、以前とは違って、とても穏やかで温かい言葉に聴こえてくる。
曲がりなりにも自分の足で歩いているならばそれで良いではないかと、なぜか聴こえる。
もはや、もはや、
と繰り返される「もはや、、、」という言葉の奥のほうに、ある人間の歩いてきた歩みの音が深く静かに響きをたてているように思えて、じっと耳を傾けたくなる。
倚りかかりたくない、と繰り返すその最後に、
「倚りかかるとすれば、それは椅子の背もたれだけ」
と続くその言葉の余韻の中で、座り慣れた一脚の椅子をボンヤリと思い浮かべ、眼を閉じたくなってくる。
73歳の作だという。
この詩に出会えた感謝がある。
(もうしばらく踊りたい、読み続けたい、と思います。クラスの皆さまどうかお付き合いを、、、。)
●クラス参加方法・くわしい内容=クラス参加案内
稽古場は、杉並・荻窪駅からバス10分/西荻駅から徒歩圏(善福寺公園教室、西荻ほびっと村教室ほか)くわしくは、お問い合わせ時にご案内。