まもなく本番の二週間前となる。
リハーサルには美術家が入り、作品の輪郭がどんどん具体化する。

しかし踊りは、まだまだ変わってゆく。そして美術プランもバッサバッサと変わる。

変化を見つめて、美術家は初めて本当の発想に辿り着くのだという。ダンスは虚構ではない。変化する現実そのもの、現象そのものだ。現実はイメージを超えるものなのだと、いう。

個々の作業から相互の作業へ、いま、その境を越えて「舞台=現場」が近づいて来る。

ダンスと美術。そのぶつかり合うなかで感じるのは「踊り」というものが、異なる者の前でこそ本性をあらわにするプロセスでもある。

異なる視点を前にして、身体は一気にある種の声を発し始め、人が人と対話する時のような緊張感を帯び、さらに相手の眼に反応するような即興性を取り戻してゆく。それは観客を前にした本番でピークを迎え、終演の瞬間とともにバサリと消える。


(上の写真は3月公演『サイレントシグナルズ』より)

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