観ました。良かったです。
所蔵品100点を通じて世界の歴史と各地の文化を結び付ける構成でしたが、やはり一点一点の「本物」が放つ迫力に惹きつけられました。
「ギルガメッシュ洪水伝説粘土板(BC700~2000イラク出土)」は震災直後、僕に二つのダンス作品『かつてなき結晶/3.11サイレント』(2011東京公演)と『方舟・Hakobune』(2012ルクセンブルク公演)への創作のヒントを与えてくれたもので、これを直接に観ることができたのは感激でした。太古の洪水伝説を彫った粘土板で、それは人類が繰り返し体験してきた災害の克服の最も古い痕跡でありそして知恵の記念碑として再生への希望を投げかける神話であり、震災当時あの津波と原発事故の生々しいショック状態にあった僕に新たな創作活動への勇気を与えてくれました。
「アラビアの手形(紀元100~300イエメン出土)」は特に印象に残った展示物なのですが、これは石でつくられた手の古代彫刻です。仕事をする手、料理や掃除をする手、誰かと握手をし抱きしめる手、涙を拭う手、、、。手は知恵の象徴でもあると思うし、手は感情の象徴でもあると思います。そして手は祈りの象徴でもあります。
今構想中の作品に働きかけきそうな予感。遠い昔から時を越えて非常に強いメッセージを語っているようでした。遥かな場所から、死者が、物に宿って語りかけているようでした。
他にも、ああコレが、と溜息が出るものが続々。
ゾロアスターの金像、ナイジェリアのイフェ、古インドのターラ神、イタリアから出た大理石のミトラス神像、西アフリカの奴隷貨幣、現代アフガニスタンの戦争柄絨毯、、。
展示物の全てが静かに何かを投げかけてきます。ひとつひとつが遺産であり、生活の痕跡である、とするならば、それらは時を越え、地域を越えて、人とは何か、暮らしとは何か、を声なき声で語りかけてきます。
やはり本物は知識を越えます。沢山のなかで、心の琴線に触れるものが、きっと一つはあるのではないかと思います。その前に足を止めて、じっくりと対話する時間は貴重かと思います。
上野の都美術館。ぜひ。
所蔵品100点を通じて世界の歴史と各地の文化を結び付ける構成でしたが、やはり一点一点の「本物」が放つ迫力に惹きつけられました。
「ギルガメッシュ洪水伝説粘土板(BC700~2000イラク出土)」は震災直後、僕に二つのダンス作品『かつてなき結晶/3.11サイレント』(2011東京公演)と『方舟・Hakobune』(2012ルクセンブルク公演)への創作のヒントを与えてくれたもので、これを直接に観ることができたのは感激でした。太古の洪水伝説を彫った粘土板で、それは人類が繰り返し体験してきた災害の克服の最も古い痕跡でありそして知恵の記念碑として再生への希望を投げかける神話であり、震災当時あの津波と原発事故の生々しいショック状態にあった僕に新たな創作活動への勇気を与えてくれました。
「アラビアの手形(紀元100~300イエメン出土)」は特に印象に残った展示物なのですが、これは石でつくられた手の古代彫刻です。仕事をする手、料理や掃除をする手、誰かと握手をし抱きしめる手、涙を拭う手、、、。手は知恵の象徴でもあると思うし、手は感情の象徴でもあると思います。そして手は祈りの象徴でもあります。
今構想中の作品に働きかけきそうな予感。遠い昔から時を越えて非常に強いメッセージを語っているようでした。遥かな場所から、死者が、物に宿って語りかけているようでした。
他にも、ああコレが、と溜息が出るものが続々。
ゾロアスターの金像、ナイジェリアのイフェ、古インドのターラ神、イタリアから出た大理石のミトラス神像、西アフリカの奴隷貨幣、現代アフガニスタンの戦争柄絨毯、、。
展示物の全てが静かに何かを投げかけてきます。ひとつひとつが遺産であり、生活の痕跡である、とするならば、それらは時を越え、地域を越えて、人とは何か、暮らしとは何か、を声なき声で語りかけてきます。
やはり本物は知識を越えます。沢山のなかで、心の琴線に触れるものが、きっと一つはあるのではないかと思います。その前に足を止めて、じっくりと対話する時間は貴重かと思います。
上野の都美術館。ぜひ。