リハーサルを繰り返す中で、やっと踊りがみえてきたようです。

稽古すればするほど、
壊れて消えてゆくものがあり、
そのかわりに思いがけず訪れて肉体を踊らせるものがあります。
動いて動いて、自分がこだわっていたものが削れてゆくと、
骨の奥やどこかに埋没していたものが、ひょっこりと顔を見せることもあります。

土方巽の言う
「からだの入れ換えが、私たちの先祖から伝わっている」
ということが、今回の作業のなかで思い起こされてなりません。

構築する、というのとはちがって、
むしろ消して消して、ようやく見えてくる何かが、
カラダを揺すり踊りへと向かわせている気が、いま、しています。

身体のイマジネーション。
からだを揺するもの・・・・。

日常のなかでは断ち切れてしまいそうな何か、
現実に結びついてしまう前の何か、

コトバになる以前の何か、
ヴィジョンになる以前の何か、
音として響く以前の何か、

源流のままの何かを、
踊るカラダは行なおうとしている。
それは、どうも確かなようであります。

踊りには踊ることでしか表せないものが満ちていて、
それゆえ、あらゆる想像力や意味や物語を、
観る人が勝手気ままに遊んでゆけるような身体と空虚が踊りにはあって・・・。

そんな場を、スッと投げ出せると良いのになあ、などと夢想しております。
風景そのものであるようなカラダ。
カラダそのものであるような風景。

まだまだとは知りつつも、
これは、ひとつの現象へとむかう試みなのかもしれません。

(写真は前回公演より)
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予約受付中
櫻井郁也ダンスソロ新作公演
CHILD OF TREE
2014年10月11日(土)20:00 12日(日)19:00
会場/公演共催=plan-B(東京・中野)

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