あっと言う間に1週間たちましたが、
先日の「体験WS&クラスショーイング」の感想を少し。
人が懸命に踊る姿を見つめ、そして自らも踊る。ということが、毎年一回行うこの体験会の狙い。
参加者全員で踊るWSパートとクラスショーイングが交互に進行。刺激を受け合いながら、色んな身体が踊りを発生させていきました。その雰囲気は、熱の変容という感じで「この場自体がひとつの作品になったみたいでした」と言う方もいらっしゃって、それは何だかピッタリきまして、いい言葉だなあ、と思いました。
WSは最初、ジョン・ケージと鈴木大拙について、話しつつ、ランダムに録音したサウンドに身体から発する音や動きやオノマトペを挿入して遊ぶ「音と動き」の作業。そして沈黙のなかで呼吸と熱の感覚作業。エモーションと運動。を経て、オイリュトミーワークを体験。テキストは世阿弥。これ、結構良く、さらに膨らましてクラスでもやろうかなと思いました。それから、ピアノを聴きながら音感を運動に反映する作業。さらにブラインドのムーブメンツを経て行ったのが、即興ワーク。これは結構な盛り上がりでした。
(即興は、僕としてはダンスの練習のなかで非常に重視していまして、カラダづくり同様にダンスの基礎となるものだと思います。レッスンではもちろん作業しますし、このブログにも、即興についての考えは時々書きたいです)
進行しつつ総じて感じていたのは「変化」ということ。3時間の流れのあいだ、参加者一人一人のまとう雰囲気や存在感が、どんどん大きくなってゆく感じ。呼吸するように、波打つように。それは日常には出てこない潜在能力や自由精神の滲み出のよう。踊りの力はすごいです。
踊りは最古の芸術にして知の伝承方法と言われますし、この日本はかつて誰もが踊れた舞踊王国のひとつだったそうですが、いま、この、生命認識を新たにすべき時代の流れの中で、踊りの力はきっと強い役割になってゆくはず。
WSに挿入されたクラス・ショーイングのパートでは、非常に真摯な踊りを観ることができました。
ひとりひとりの立ち姿が落ち着いていて、ひとまわり大きく優雅に見えました。いい意味で引き締まった顔つき、しっかりした眼差し。動きの丁寧さ、そして気持ちの入れかた。普段の練習をベースに、いまこの瞬間を味わい尽くしてゆく経過は、本当に素敵です。土曜クラス、オイリュトミー基本形姿での静けさと緊張感が精神の力を感じさせ、その後に踊った「パッヘルベルのカノン」で現れた肯定感には大人ならではの確かさと豊かさを感じました。一朝一夕では決して出来ない全身の気配。
水曜日のオイリュトミークラスは全員が正式の衣装で踊り、集中力に満ちたアンサンブルを行うことが出来ました。8分近い言語オイリュトミー、二曲の音楽オイリュトミー。いずれもレッスンを積み重ねた「時の重み」があります。これを観ることは貴重な体験だったとの声もいただきました。
金曜日のダンスクラスは、まさにダンス。ソロ作品、アンサンブル振付作品、そのまま完全即興へと続けて踊りました。スリリングで力強く、自らの肉体に向き合いながらも新しい何かを求めてゆくバイタリティが宿っている刺激的な印象。真剣さから、自由が生まれてゆくプロセス。いい感じになっていきそう。
いずれも、年間の練習が一人一人の身体に染み込むというのは、こういうことなんだ、と、感じ入りました。
レッスンを粘り強く続けてきてよかったと思いました。
これからも良いレッスンをしなければ、と気を入れております。
そして、僕自身も、改めて、稽古がんばります!
みなさん、引き続きよろしくお願いします!
●参加方法・曜日ごとの内容など=クラスご案内
稽古場=杉並・荻窪駅からバス10分圏(善福寺公園前教室ほか)くわしくは、お問い合わせ時にご案内。