カミナリが綺麗でした。
音がしなかったから、よけいに目が冴えました。

空に裂け目が走る。
天空の殻がバリバリと破れて、
その外側の、宇宙とかいう所から逆光が洩れる。

この走る光を稲の配偶者と思って、稲妻。
それを秋の季語とした古人の言語感覚は、さすがだと思います。

稲妻模様は、空だけでなく、植物の枝や根にも見えます。
私たちの神経や血管にも見えます。
ふと、近さを感じます。

自然の現象、とりわけ、フォルムから垣間見えるものは、
少し神秘的だなと思います。