なんでかな。ゲーテの詩を思い出していた。
ミルタメニウマレテキタ。
そんなフレーズ。
ミル。みる。近づくこと同時に遠ざかること、距離共感違和感、私あなた彼彼女、ヒア アンド ゼア、他者。みることはこの世を広くする。
先週のこと。
フランシス・アリスの作品を初めて見た。酔った。MOTにて。
例えば一日、大きな氷を押して街を歩いてゆく、その氷が溶けて無くなるまで。最初は両手でヨイショと押す、やがて小さな石ころみたいになった氷をキックする。そして日が暮れる。
例えば、通りかかりの犬に体当たりして転んでみる、雑踏の交差点で。ステン。そして去る。
例えば、竜巻の発生を求めて砂漠を歩く。そして竜巻の渦のなかに身を投げ込んでみる。さて。
例えば、街の広場に射す太陽の光と影を朝から晩まで見守ってみる。じっと、ずっと。
彼は、そんなことを、実際にやってみる。そして、その淡々とした記録を映像や写真や書き留めた紙で、僕らに見せてくれる。
現代美術とされているが、ダンスと呼びたくなる。なんだか近い。
独りで何処かを訪れること。独りで何かを行為すること。だけど、アリスの行為は孤独はない。独りで、されど何かと共に、ある。そんな感触の確かさ。
誰かが何か「する」という事について、僕らは理由とか目的をつい知りたくなってしまうけれど、実はそんなことよりもはるかにエキサイティングなのは、行為のプロセスやディテールだったりするのかも知れない。スル、とは何かに結びついてゆくことだ。スル、とは、何かを体験で味わうことだ。
何をするか、よりも、何故するか、よりも、どんな風にするか、のなかに面白みがある、情があるのかも知れない。
わからない、だけど、わかるな~。というそこはかとない気持ち。変てこな、だけど気持ち良い気持ちが、彼の作品から湧いてきた。生身の人に会ってきたみたいに。
そう、作品は人だ。
そう、感じる。そう、思い出す。
新宿にまわり、ルドンを観た、にも関わらず、さっき観たアリスの作品が心眼を離れないで困った。
同じ時代の空気を呼吸している人の作品には、やはり心打たれる。
あ、こんな人がいる。ということ。
それはとても確かな心の動きなのだ。
ミルタメニウマレテキタ。
そんなフレーズ。
ミル。みる。近づくこと同時に遠ざかること、距離共感違和感、私あなた彼彼女、ヒア アンド ゼア、他者。みることはこの世を広くする。
先週のこと。
フランシス・アリスの作品を初めて見た。酔った。MOTにて。
例えば一日、大きな氷を押して街を歩いてゆく、その氷が溶けて無くなるまで。最初は両手でヨイショと押す、やがて小さな石ころみたいになった氷をキックする。そして日が暮れる。
例えば、通りかかりの犬に体当たりして転んでみる、雑踏の交差点で。ステン。そして去る。
例えば、竜巻の発生を求めて砂漠を歩く。そして竜巻の渦のなかに身を投げ込んでみる。さて。
例えば、街の広場に射す太陽の光と影を朝から晩まで見守ってみる。じっと、ずっと。
彼は、そんなことを、実際にやってみる。そして、その淡々とした記録を映像や写真や書き留めた紙で、僕らに見せてくれる。
現代美術とされているが、ダンスと呼びたくなる。なんだか近い。
独りで何処かを訪れること。独りで何かを行為すること。だけど、アリスの行為は孤独はない。独りで、されど何かと共に、ある。そんな感触の確かさ。
誰かが何か「する」という事について、僕らは理由とか目的をつい知りたくなってしまうけれど、実はそんなことよりもはるかにエキサイティングなのは、行為のプロセスやディテールだったりするのかも知れない。スル、とは何かに結びついてゆくことだ。スル、とは、何かを体験で味わうことだ。
何をするか、よりも、何故するか、よりも、どんな風にするか、のなかに面白みがある、情があるのかも知れない。
わからない、だけど、わかるな~。というそこはかとない気持ち。変てこな、だけど気持ち良い気持ちが、彼の作品から湧いてきた。生身の人に会ってきたみたいに。
そう、作品は人だ。
そう、感じる。そう、思い出す。
新宿にまわり、ルドンを観た、にも関わらず、さっき観たアリスの作品が心眼を離れないで困った。
同じ時代の空気を呼吸している人の作品には、やはり心打たれる。
あ、こんな人がいる。ということ。
それはとても確かな心の動きなのだ。