音が体に染み込んでいく、そんな印象を受けたレッスンでした。
ダンス/舞踏クラス、5月25日。
毎週行うクラスです。少しずつ体験が積み重ねられ、ひとりひとりの動きや動きに反映される感情の変化、動きに反映されるイメージの広がり、そして、動きそのものが豊かになっていくのが、僕にとってはすごく嬉しく、ひとりひとりへの思いも自然に深まっていきます。それが産みの衝動となり、振り付けとなり、クラスの作品が、ゆっくりゆっくり出来上がっていきます。
このクラスは、主に作品をつくることを通じてダンスの本質に触れ、心身の広がり高まりを楽しむのですが、毎月の1~2週はインプロビゼーション(即興)の練習に当てています。単に教え習うだけでは感性が広がりませんから、自分の感じたことを素直に身体で表す練習を積み重ねる。それは同時に互いの魂や肉体が変容するプロセスを見て感じ合うチャンスでもあります。人は皆、個性を知り、その力を発揮する方法を見つけることから活き活きしてゆくのだから。

で、今日は、そのインプロビゼーションの日でした。

僕はピアノを弾きながらのインストラクト。もちろんメンバーの動きを見ながらの即興演奏。
少しセッションして、感想の交換。また少しセッションして、対話やヒント。あるいは音楽について、身体やダンスの可能性についての解説。それを参考に、またセッション。あっと言う間に時間は過ぎるけど、かなり濃い時間だなって、いつも思います。

いまのはリズムを強調した演奏、いまのは和声的な演奏、これは12音、これはセリーなんだよね。いろいろな音楽についての知識も、動きながら学ぶ。

今日は、音楽というよりは、音。
を動いている体験が出ました。言葉では語り尽くせないデリケートな身体反応。それは喜んだり悲しんだりとはまた別の、心の働きだね、という人がいました。何も考えてないのに動きが出てくる、そんな自らの動きに興味が尽きない、という人がいました。
良い悪い、上手い下手、とは全く違うダンスの育ちかたがあります。心と体、感性と体、人ひとりひとりが内包している、さまざまな可能性に自ら気づき、活かしていくプロセスが、とても魅力的です。

来週は振り付けの日になります。
いま取り組んでいる作品は、ストラビンスキーの名曲「春の祭典」。ダンスのために創られた音の祝祭。
さて、どんな稽古になるか楽しみです!


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