毎週金曜の夜はダンス/舞踏(表現力とテクニック)のクラス。僕のクラスの中ではもっとも自由かつ集中的。ダンスを通じて自分自身と向き合う時間であり、僕自身の試行錯誤を紹介したり作品を一緒に創ったりするクラスです。秋にはソロ指導/ショーイングなども行い、いまは新たな練習へとシフト中。冬から春にかけては、新たなメンバーをつのりつつ、基礎の見直しや各自の目標設定を。なので、いまは一番地道かつ大事な練習を繰り返してみたいと思います。
冬の主なメニューは・・・。

・ミラーリング(動態反射):一言でいえば「無心に真似る」練習です。
絵にはデッサンがあり、武道には向かい合い、というものがあります。心とカラダをしなやかにするには、余計なことを考えぬようにして目の前の対象と一つになる稽古を重ねるのが大事かと思います。学ぶの語源が「まねぶ」であります。そして芸術の基本は、僕の意見では観察力と共振力だと思います。コンテンポラリーは自由な動きで踊るので、型がありません。しかし、それはイコール、身辺に偏在する動きや形をこそ「型」として参照することでもあると思います。僕の動きを真似てもらうこともあります。メンバー互いに真似あうこともあります。観察は眼だけでするものではありません。全身をアンテナにする練習です。

・音を入れる(聴音):現代ダンスのキーとも言える「即興improvisation」。その基本となる練習のひとつで年間を通じて繰り返すメニューでもあります。
音は内観と想像力へのスイッチになります。音を聴いて沸き起こった気持ちを全身で形容するも良し、音から思い浮かんだイメージを動くも良し。表情を変えるだけでもしっかりやれば全身につながってゆきます。これは、心と体との回路をつくる練習で(火曜の舞踏クラスでも行っています)主体的な表現力を養うには欠かせません。慣れてくると先にカラダが動き出す人もいます。他の人とかけ離れた動きになることも当然あるし、なんとなく似てしまうことも多々あります。が、問題はそれらのプロセスをどう受け止めてゆくか。ポイントその1=自分の感性や動きをむやみに疑わないこと。その2=他人を意識しすぎないこと、自意識過剰にならないこと。それらの練習でもありますから、身体と意識両面をコントロールする練習とも言えます。

・新エチュードの振付:12月後半以降スタート。上記の練習をみながら、新しく取り組んでゆく作品を考えて振り付けます。自由度の高いものになるか、あるいは精密に覚えてゆくものになるのか。やりがいのあるものを目下思案中!

毎週金曜、稽古会場は荻窪よりバス7分程。
対象:表現力を身につけたい方

クラス案内(このクラスの他、オイリュトミー、舞踏)