オイリュトミークラス、12月3回目の本日は音楽オイリュトミーの練習日。ピアニストと一緒に新曲の練習をスタート。この冬はJ.S.バッハと坂本龍一さんの曲に取り組みます。シンプルで純度の高い音楽を踊りながら、「響き」をたっぷり味わってもらいたいとの思いで選びました。

メンバーのある方は、バッハの曲は音に包まれるようで、永遠に踊っていたいような気持ちがしたそうです。僕が今回用意した振付は単純なのですが、かえってそれが呼吸感を高め、曲の世界を体験しやすいのでしょうか。僕の感じでは、バッハの曲は自ら演奏しながら音の世界に入っていくように出来ている、メディテーションに近い音楽です。今日の練習は、その下準備ともいえる段階でしたが、予感として永遠に踊っていたいという感想が出たのでしょう。バッハと永遠性。まさにぴったりの体験だなあと思いました。

一方、坂本龍一さんの音楽は、ポップでありながらどこか魂の深い悲しみに触れるような叙情にあふれています。こちらは水の流れのような変幻自在のフォルムを描いて空間と身体が一体化していく構想。僕も一緒になって踊り、振付の全体像を体験していきました。何度も曲にのって動くうち、個々それぞれの思いが表情に出てきました。一つの振りを一緒に練習するからこそ際だってくる個別の思い。それが何ともリアルで、わずかな時間を共有することの意義を感じさせてくれます。一人一人の思いを秘めながら、コーラスのような踊りの波が実現できるといいなと思いました。

夏から秋にかけて踊ってきたバルトークや日本の子守歌が、土の香りと中間色のような色彩感で重心を下ろしながら踊ったのに対して、今回の選曲は透明感が高く、よどみない流れを感じさせます。冬の突き抜けるような青空のように、背筋(前回記事)をとことん伸びやかにして駆け抜けてゆくような、さっそうとした動きを練習したいと思っています。

レッスンを共にするピアニストともよく話すのですが、踊るということはSOUNDを呼吸することに限りなく近い。全身を鼓膜にするようなものです。
オイリュトミーは全身運動によって、音楽や言葉と一体化するものなので、レッスンでとりあげる曲は、骨の髄までしみこんでいきます。音楽との共感を通じて新しい希望が個々の肉体に予感されることを期待しながら、ふくらませていきたいと思いました。

(次回オイリュトミークラスは12/28、言語オイリュトミーの練習。数日遅れですが、クリスマスにちなんだシュタイナーのテクストを踊り、今年最後のレッスンとします。)

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