ソロ公演「真空断層」
祈りの苗木をみつめながら


ソロ公演「真空断層」について、最終回。今日は創作ノートの一節をご紹介します。

昨年の公演「カナリゼーション・祈りの河」で、小さな苗木を舞台にのせました。鳥の羽毛が舞い降りる中を男女が踊り、抱きしめあい、1人の俳優が現代の祈りの言葉をとなえながら、河辺に見立てたステージを歩いてゆくという内容の、作品でした。そのステージで、祈りのメタファーとして、男女のダンスを見つめていた小さな苗木たちは、いま僕の家の庭で、生活を見守るように、少しづつ、少しづつ成長し続けています。一枚一枚の小さな葉っぱに息づく、その緑が、可愛く美しい光の種子のようです。その姿を見つめながら体を動かし、構想を進めたのが、今回の公演です。数日後に控えた舞台。皆様の前で、この樹木のように、清々と立つことをめざしたいと思います。



「呼吸と共に、響きわたる、運動の軌跡
それは、わたしの中に
遠く忘れ去られた静けさを呼び戻す

現象。この消滅への痛み
これを、時と呼ぶならば、この体もまた、その一つか。

眼とじて耳すまし、イキをして。

ひかりをみつめ、ひかりにみつめられて
ここにうまれ、ひかりに抱かれ、

くもり、ほころび、はれわたり、くもり・・・、

いつの日か、灰となり、
未知の方角にひらかれ、

ささめき、つながり、

すべて忘却しながら、
ひびきへと至り。

生命は沈黙の中に生まれ
沈黙の、深い響きのなかに、還っていく」



公演日時:11/22(火)20:00、
11/23(祝・水)15:00 
中野planB

予約2500円、当日2800円
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